日本電産の東洋電機TOB提案、買収方針に大きな変化

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日本電産の東洋電機TOB提案、買収方針に大きな変化

日本電産が鉄道機器用モーターに本格参入する。同社は16日、鉄道車両用部品を手掛ける東洋電機製造に対し、過半数の株式取得を目指すTOB(株式公開買い付け)の実施を提案したと発表した。東洋経済は「会社四季報」夏号にて、日本電産が同事業への本格参入を模索していることを報じていたが、今回の会社側の発表はそれが具体的に現れた形となった。

同社は今後、東洋電機製造が導入している買収防衛策に沿ってTOBの手続きを進める。TOB価格は一株635円で、12日末の終値305円に108.2%上乗せした。全株を取得した場合、買収総額は約300億円になる。提案の有効期限は12月15日まで。東洋電機は第三者でつくる独立委員会の意見を参考に賛同するかを決める。東洋電機が提案に賛同すれば友好的なTOBの実施となるが、賛同しなければ敵対的TOBに発展する可能性も残されている。

「残念ながら、今回は友好的TOBです」−−。16日に行われた会見の席上、日本電産の永守重信社長はそう強調した。これまで27社ものM&Aを実施してきた日本電産だが、それらはすべて友好的に実施されてきた。永守社長自身が買収先企業の経営者と粘り強く事前交渉を行い、その結果相手の合意を得たうえで、M&Aの公表をしてきた。

ところが、今回はこれまでと大きく異なり、相手と合意する前に買収提案を発表。事前交渉もいっさい行われていない。東洋電機側にTOBの意向を伝えたのは、会見が行われた16日の午前。両社のメインバンクである東京三菱UFJ銀行を仲介役に、東京都内のホテルで永守社長と東洋電機の大澤輝之社長が朝8時30分から面会しているが、交渉時間は1時間程度に過ぎなかった。これでは「敵対的TOBに発展か」と見られても仕方のない側面もあるだろう。

「今回はたまたま、こういうアプローチになっただけ」と、永守社長はM&Aの基本姿勢に変化はないとしている。とすれば、相手の意向を損ねる強引なTOB手法は考えにくいのではないか。プロパー経営者や従業員をリストラせず、対話を通じてその潜在能力をフルに発揮し、買収先企業の業績を底上げしていくのが“永守流M&A”の真骨頂だ。東洋電機側がTOBの提案を否定したとしても、敵対的TOBを実施する可能性は低いと言える。

(梅咲恵司 =東洋経済オンライン)

>>>関連記事 日本電産の東洋電機TOB提案、裏側には永守流“したたかさ”も

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