NISA口座を開くなら、銀行はやめなさい 山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット

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はっきり言って、NISAであろうとなかろうと、検討に値しない商品ばかりだが、同じ運用利回りなら分配金の大きな商品は元本が成長しないのでNISAの節税効果を有効に使えない点で、何れもNISAには特に不向きと考えるべき商品だ。

望ましいNISAの使い方は?

「高齢者などで、分配金が欲しいというニーズをお持ちの方もいる」などという言いわけをするつもりなのかも知れないが、投信を買う高齢者は、預金も持っているはずであり(毎月分配型投信が財産の全てという人はいまい)、「NISAで分配金にこだわると、全体としての運用の効率が悪化しますよ」とアドバイスすることこそが、正しいFPの仕事だろう。

まだ運用するお金が十分ない人は別として、数百万円以上の規模でお金を運用している人の場合、NISAでの運用は、個人の資産運用全体を最適化する中で、(1)期待リターンの高い資産分類のもの、(2)5年の間に途中売却したくなりにくいバランスのとれたもの、(3)手数料が総合的に安いもの、三つの観点から、適切な資産を割り当てると考えることで、ほとんど議論の余地なく決めることができる。

TOPIX連動型のETFと、先進国に幅広く投資するノーロードのインデックス・ファンドの片方ないしは、組み合わせで、ほとんどの人がいいはずだ。リスクの大きさの調整や、売り買いしたい銘柄への投資は、「NISAの外」で行い、NISAも合わせた状態で全体として望ましい運用状態を作ればいい、と考えよう。

年代別に異なる運用の目的をでっち上げたり(「適切な大きさのリスクの下で効率よくお金を増やすこと」以外の目的など考えなくていい!)、投資家のタイプを想定したりするのは、売り手が儲けるためのたちの悪いフィクションだ。

NISA関係の投資資金が実際に動くのは来年の1月からだ。NISAに関しては、今後、多数の無知なアドバイスや、目先のお金に目が眩んだ腐れアドバイザーが登場すると予想されるので、よく見ておくといい。

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