NISA口座を開くなら、銀行はやめなさい 山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット

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縮小

米国の金融緩和縮小は、特に新興国の景気と株価に悪影響を与える可能性が大きいので、新興国の株価や経済悪化が影響する売り材料が遠のくメリットもある。

今後、FOMCが緩和の縮小を決めるとすると、米国の景気が今よりも顕著に改善していなければ辻褄が合わないわけなので、今回の「QE3の“出口”見送り」の効果は案外長続きするかも知れない。

「心配材料が幾つかあるが、大勢としては、アベノミクスの金融緩和を背景とした株価の上昇が期待できる」という基本観を変える必要はなさそうだ。ただし、米国については、オバマ政権の急激な弱体化が少し心配だ。やることなすことがみな上手くいっていない感じであり、最終的には何とかなるはずの問題とはいえ、政府の債務上限の問題なども、今後悪影響を及ぼしかねないので、少々注意が必要だ。

加えて、中国の不動産バブルの崩壊懸念や、消費税率引き上げの場合の景気後退懸念など、心配材料はあるが、アベノミクスは事実上の為替・株価誘導政策であり、現在の東証1部上場銘柄の益利回り(PERの逆数)はほぼ6%あり、株価は水準としてまだまだ高くはない。総合的には、楽しみの方が大きいのではないか。「何と、お気楽な!」と思われるかも知れないが、筆者は、今のところ先行きに楽観的だ。

不適切なNISA使用が心配

投資について目下気になるのは、NISA(「ニーサ」、少額投資非課税制度)が適切に使われないのではないか、という問題だ。本稿がアップされるのは9月27日(金)なので、NISA口座の申し込みはぎりぎり撤回できる。率直にいって、銀行や信用金庫など、証券会社以外の金融機関にNISA口座の申込書類を出してしまった人は、面倒でも撤回する方が得だ。

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