代々木上原にそびえ立つ「巨大モスク」の来歴

「東京ジャーミイ」を360度カメラで探訪!

礼拝堂の中央から編集部撮影

2代目モスクを設計したのは現代トルコの代表的な宗教建築家であるムハッレム・ヒリミ・シェナルプで、伝統的なオスマン・トルコ様式でありながら、構造には最新技術が取り入れられている。

鉄筋コンクリートの建物本体の建設工事は日本のゼネコンである鹿島が担当したが、内外装の仕上げはすべてトルコから取り寄せた材料で、多いときには100人もの技術者や職人がトルコから来日して工事を担当した。この建物の外観を眺めても内部に入っても、えも言われぬエキゾチシズムを感じるのは、すべて現地の材料と技術で仕上げられた、本物のトルコ・イスラーム建築だからなのだ。

美しい礼拝堂の内部

建物2階の礼拝堂に入ると、中央の巨大ドーム、それを取り囲む6つの半円ドームに囲まれた空間に圧倒される。壁面にも天井にも幾何学模様や植物の模様、アラビア語のコーランの一節が描かれ、ステンドグラスが輝き、万華鏡の中にいるようだ。

半円ドームの直径を結んでいくと、正六角形が描かれる。自然界でもミツバチの巣の1つ1つは六角形で構成されている。加わった力を分散させて壊れにくいハニカム構造は耐震建築にも応用されている。日本もトルコも地震が多い国。この6つの半円ドームには6本の通し柱が配置されていて、この礼拝堂を支える大黒柱となっている。

巨大なドームは、天蓋、宇宙を表していて、中央にはコーランの一節が書いてある。巨大ドームを6つの半円ドームが囲む天井はこのモスクの何よりの特徴。

壁面のステンドグラスはトルコ・ビザンチンの影響という。西洋建築でしか見たことのないステンドグラスが、このイスラム寺院で美しく輝いていることに新鮮な驚きを感じた。

日本の宗教施設ともキリスト教の教会ともまったく異なるイスラム教の礼拝堂。ここでは1日5回の礼拝が行われ、毎週金曜日の集団礼拝には多くの教徒が集まる。

偶然、取材時に、礼拝の始まりを告げる「アザーン」が流れ始めた。建物内には礼拝前に手足を浄める施設があり、シンガポールから来たという旅行者らしい若者が身を浄めていた。

礼拝堂には「ミヒラーブ」と呼ばれる聖地・メッカの方角を示す壁のへこみがあり、ここがこの建物で最も重要な場所とされている。その方角を向くように、井の頭通り沿いにあるこの建物は、敷地内で若干斜め方向を向いて建っているそうだ。礼拝に参加する信者は、このミヒラーブの方角に向かって祈りを捧げる。

建物1階には講演やイベントなどの行われる多目的ホールや、トルコの民家の応接間を模した部屋などがあり、こちらにもエキゾチックなシャンデリアや、鮮やかなタイル壁画、大理石の床など、まるで今自分がトルコの国のどこかにいるような錯覚を覚える。

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