東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

トランプ外交が「北朝鮮の思惑通り」な理由 韓国の「北朝鮮研究」第一人者に聞く

6分で読める
2/3 PAGES
3/3 PAGES

ムーギー:怖いのは彼がガチで狂人だったときです。たとえば、ロシアゲートで追い詰められて、国内不安を海外に向けるために北を攻撃、みたいなシナリオはありうるのでしょうか?

羅教授:ない。アメリカは軍の幹部がしっかりしている。

これはしっかりした大国はどこでもそうなのだが、仮に政治指導者が戦争を決意しても、軍の高官が実質的に止める機能が働いている。先日も、米軍高官がトランプの戦争指示が不適切なら従わないと公言した。

たとえば昔のキューバ危機も、まるでケネディ大統領がヒーローかのように伝えられているが、実際はそうでもない。実際はケネディ大統領が、危機を高めるようなことをやってしまった。

当時のソ連にしても、実は核攻撃の命令にまで及んだのだが、ソ連の軍幹部がその実行を食い止めた。軍人だからこそ、その戦争の危険をよくわかっており、大統領の一存でなんでもできる、という状態ではない。

北の指導部にとっての脅威は国内にある

『粛清の王朝・北朝鮮』(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

ムーギー:そうだったんですか、私もてっきりケネディ大統領の手柄だと思っていました。

では、最後にうかがいます。アメリカが結局は北を攻撃することはなく、昨今の中国が加わって厳しくなった制裁が経済を圧迫する中、今後北朝鮮に対してはどのように臨むのがいいのでしょうか。

羅教授:北の指導部にとっての脅威は、国外ではなく国内にあることを忘れてはならない。

韓国側から風船を飛ばし、北と南の実態を知らせる情報と5ドル札を国内に送り届けるなどの民間団体の行動を、北の指導部は非常に嫌がる。韓国ドラマを見たら処刑されるほど、情報流入に敏感になっている。間違っても北の国民に、“外国は脅威で、将軍様が守ってくれている”と思わせてはならない。

むしろ、“海外での生活はこんなによくて、他の国の政府が我々をこれほど助けてくれているのに、自国の政府は何だ!”と国内からの蜂起を助けなければならない。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象