「年末年始ビンボー」を回避するためのコツ 「節約カレンダ-」でうっかり支出を減らそう

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さらに3月に入ると売り場は、新生活商戦にシフトチェンジする。卒業式や謝恩会向けのフォーマルスーツやアクセサリーにバッグ、フレッシャーズ用のスーツが並ぶ。

生活用品としては家具に家電、新居に移る人のためのキッチン用品など。これらが4月を過ぎると処分セールに移動してくるので、急ぎ必要でないものなら買うのを少し待ってもいいだろう。

新生活商戦としては、新入生やフレッシャーズを意識したクレジットカードや携帯電話の契約、銀行の新規口座開設キャンペーンが行われる。ポイント優遇などのインセンティブがあり、中にはフレッシャーズに限定しないものもあるので注視しておこう。

また、春は引っ越しシーズンともなるが、業者に聞いたところ、2月と3月では日によって倍近く値段が違うという。さらにGWに移動する人も多いので、この時期も高い。そのほかにも人が移動しやすい夏休みや年末年始も同様に高くなるという。辞令に左右される移動なら仕方がないが、引っ越し代の面ではGW明けのほうが価格交渉はしやすいだろう。

お役所の予算枠にも敏感になろう

4月に入れば新年度だ。自治体が行う助成制度は新しい年度の予算がここからスタートする。公的な助成制度は予算枠が決まっているため、利用したいものがあれば早めに申し込むほうがいい。

引っ越しの話を書いたが、たとえば東京都新宿区などは、子育てファミリー世帯に対し、引っ越し費用の助成などを行っている。また、東京都には中学3年生・高校3年生を対象に塾費用や受験料を無利子で貸し付け、さらに高校・大学等に入学した場合、返済が免除になる「受験生チャレンジ支援貸付事業」があり、こちらも受け付けは4月から(※公的な助成には所得制限など条件があるので事前に確認を)。

自治体が助成してくれる内容はそれぞれ異なるが、子育て世帯向けの助成と、住環境を整えるための各種リフォームなどへの助成が多い。いわば、どちらも長く住んでくれる人向けのサービスだ。家の改修などの予定があるなら、予算枠がまだ潤沢な新年度スタート時に検討を始めたい。

以上、駆け足で、年始から4月初頭までの「節約買い物カレンダー」を紹介してみた。このように、年明けからはさまざまなイベントが目白押し。年始から家計簿をつけて挫折する人が多いのは、それに絡んだイレギュラー支出が多いからだ。

それを防ぐには、本来は12月のボーナスからイベント費を取り分けておくのが賢明なのだが、そこがなかなか難しい。せめていちばん高い時期に物を買わないようにしたいところだ。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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