FOXは、なぜ映画・テレビ事業を売却したのか 新生FOXのキラーコンテンツは「生中継」に
マードック氏は新たな視聴方法の導入にも意欲的。経営幹部によるとフォックスはストリーミングサービスを開発してオンラインでの視聴者を増やす計画だという。
マードック氏は、数年前に「フォックス・ニュース21」を立ち上げたときも、2013年に「フォックス・スポーツ」に乗り出したときも今回と同じような懸念を突き付けられたと指摘。「視聴者が重視するコンテンツとニュースは常に価値がある」と述べ、投資家に対して今回の経営判断への理解を求めた。
規模縮小に勝機
投資家は今のところ企業の規模縮小に懸念を抱いていない。ガムコ・インベスターズのマリオ・ガベリ最高経営責任者(CEO)は、シンクレア・ブロードキャスト<SBGI.O>のような競合他社は規模がもっと小さいため、心配していないと述べた。ガムコはフォックス株を保有している。
ガベリ氏は、米連邦通信委員会(FCC)がメディア企業の合併規則を緩和しており、新生フォックスは新聞社や放送局を買収して成長することが可能だとみている。
マードック氏は、出版事業を担うニューズ・コーポレーションとフォックスの統合観測について、そのような計画はないと述べ、あるとしても将来のこととした。
ただ、ピボタル・リサーチのアナリストのブライアン・ウィーザー氏は、規模が小さい新生フォックスは、スポーツ番組の放映権の獲得競争で不利な立場になると指摘する。競合相手の放送大手に加え、フェイスブック<FB.O>やアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>などのネット企業も資金力は豊富だ。
フォックスは大リーグの放映権が2021年に、NFLの放映権が2023年にそれぞれ期限を迎える。
21世紀フォックスのジェームズ・マードックCEOは、新生フォックスはスポーツの放映権の取得に十分な規模を持つとして、獲得競争に参入する考えを示した。
(Jessica Toonkel記者)
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