30代「結婚手前の男女」が持つ将来不安の正体 「漠然としたおカネの不安」は必ず解消できる

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模範的な貯蓄方法としては、次の「3つのステップ」がよいでしょう。

「3つのステップ」で目標貯蓄率を達成する

①前出の「人生設計の基本公式」を使って、「必要貯蓄率」を求め、月々どのくらい貯蓄をしなければならないかを明確にする。

②「おカネの置き場所」を作り、「先取り貯蓄」をする

生活費の半年~1年分はいつでも出し入れできるように「流動性」重視で、「普通預金」にします。近い将来必要になるおカネは元本割れしない「安全性」を重視して、「定期預金」や「個人向け国債変動10年型」にします。そして、当面使う予定のないおカネは、「収益性」を目指して、投資信託や株式などで運用します。その際は、「個人型確定拠出年金制度(iDeCo)」、 2018年から始まる「つみたてNISA」」を優先し、それ以上の余裕資金は、ネット証券などの一般口座で、合理的で効率的な手段をとります。

③資産全体でバランスをとる

運用する場合、金融商品は自分で「適切なリスク」を決めて、最も低コストな商品を選ぶことが大切です。ここで迷うのが保険ですが、保険は結婚を機に入る必要はありません。子供が生まれたら、保険料の安い掛け捨ての死亡保険に加入することをおすすめします。私的保険は、あくまで年金などの公的保障で不足する金額分だけ加入するというスタンスです。

公的年金を考える場合、 遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金に分かれていますが、共に、遺族の年収が850万円未満であれば、亡くなった人に生計を維持されたと見なされて受給対象になります。遺族基礎年金は、子供がいれば受け取ることができ、子供が18歳になった年の最初の3月まで受給できます。年金額は、「77万9300円+子の加算」で計算され、加算額は、1人目、2人目は各22万4300円、3人目以降は7万4800円です。  

前原さんの場合、どちらかが死亡しても、100万3600円の遺族基礎年金を受け取れます。

しかし、遺族厚生年金は、亡くなるのが夫か妻かで変わってきます。まず、妻は、夫が死亡すると、子供の有無にかかわらず、再婚しないかぎり、一生涯受け取ることができます(30歳未満の妻は5年間の有期年金)。遺族厚生年金は、老齢厚生年金の4分の3相当になります(加入期間が300月〈25年間〉に満たない場合は300月として計算。なお遺族年金の試算は平成29年度の年金額)。

ただ夫が遺族厚生年金を受け取れるのは、子供の有無に関係なく、「妻の死亡時に夫が55歳以上」であることが条件です。妻の死亡時55歳未満で子供のいる夫は、夫が遺族基礎年金を、子供が遺族厚生年金を受給できますが、共に子供が18歳になるまでです。

「前原家」の場合、「大学の学費分+α」として、2人でそれぞれ保険金1000万円ずつくらいを考えておけばよいでしょう。たとえば、あるネット生命保険会社の保険に加入するなら、35歳男性が保険期間20年で1000万円の保障を持つと月々の費用は2385円です。35歳女性では1533円です。あわせても3918円ですみます。このように、固定費となる保険料は極力抑え、しっかりと貯蓄をしていきましょう。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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