30代「結婚手前の男女」が持つ将来不安の正体 「漠然としたおカネの不安」は必ず解消できる

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なぜでしょうか。こうした漠然とした不安は、実は、実際に計算することでかなりの程度解消できるのです。一緒に考えていきましょう。

まず、どこに目をつけるべきでしょうか。貯蓄です。前原さんは34歳で資産が150万円。25歳で就職したということは、9年で貯金150万円=年間約17万円のペースでしか貯められなかったことになります。これはいささか少ないです。まず、結婚後は、なんといっても貯金を殖やし、手取り年収に対する貯蓄率を上げることが必要です。

通常は、共働きのカップルが結婚すれば、収入は合算で増える一方、支出も増えこそすれ、1人で暮らしていたときよりも楽になります。支出の管理が適切にできていれば、結婚すれば、貯蓄率を上げることができるはずです。

 この前提に立って、早速結婚後の「前原家」の「必要貯蓄率」を、「人生設計の基本公式」を使って、計算してみましょう。人生設計の基本公式とは、一言でいえば老後(通常65歳)に現役時代の何割の生活水準で暮らすか(通常は7割)を決め、それまでに「手取り年収の何割を貯めるべきか」(=必要貯蓄率)を計算するものです。老後の年齢などは弾力的に設定できますし、いわゆるフルタイムワークなど第一線を退いてからも収入がある場合などにも対応しています。誰でも3分で計算できます。計算の仕方は、過去の記事「あなたは65歳までにいくら貯めればいいのか」をご覧ください。初めての読者の方は、このままケーススタディを眺めつつ、読み進めていただいてかまいません。

「前原家」の子供は1人で、教育費を500万円として計算してみます。

前原恭輔さん(34歳)婚約者(34歳)の結婚後の家計
会社員 共働き
家計の今後の平均手取り年収(Y)730万円
(現在の手取り年収ではなく、残りの現役時代の年数も考え、これからもらえそうな年収を考えて記入します)
老後生活比率(x)0.7倍(65歳になったら、現役時代の何割程度の生活水準で暮らしたいかを設定します)
年金額(P)300万円(2人共が60歳まで厚生年金とした場合)
現在資産額 -350万円(現在の貯金額から教育費を500万円と想定して差し引いた金額)
老後年数(b)30年(65歳から生きる年数)
現役年数(a)31年(65歳まで31年)

これらの条件を「人生設計の基本公式」にあてはめて、計算します。はたして「前原家」の「必要貯蓄率」(手取り年収に占める貯蓄の割合)はどれくらいになるでしょうか。

次ページ「前原家」の貯蓄率はきつい?それとも達成可能?
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