たとえば、大卒女性が定年まで働き続けた場合の生涯賃金約2億5400万円を100%とした場合、育児休業を取得して働き続けた場合は、この比率は93.1%になります。
いわゆる「M字カーブ」といわれていますが、出産頃までは順調にキャリアを積んでいても、出産や子育てを機に退職し、子供が6歳のときに再就職した場合は、この率が64.1%。さらに、出産を機に退職して子供が6歳のときに再就職をせず、家庭を重視した働き方でパートやアルバイトをした場合は、17.8%になってしまいます(内閣府の国民白書平成17年度「ライフコース別の生涯賃金」より)。少々古いデータですが、ここ十数年ほど社会保険料と税金のアップで、手取り収入は下がり続けていますので、実際にはもっと厳しいかもしれません。
男性は「頼れるイクメン路線」を突き進め
もちろん、家庭と仕事のバランスをどうするか、子育て中はペースダウンするのか、キャリア形成を中断するのか、あるいはペースを変えずに働くのかは、それぞれの考えです。しかし、生涯賃金、ひいては老後に受給する年金を考えれば、産休育休を取得して働き続けるのがよいでしょう。
奥様になる婚約者のご苦労を案じて、「負担を和らげてあげたい」という気持ちはわかります。しかしそれよりも「頼りになるイクメン」としてサポートし、奥様が仕事を続けられる家庭環境を作るべきでしょう。
今後、どうやって貯蓄をしていくかは、2人の意思によるところが大きいです。結婚したら、かならず、互いの収支をオープンにして、毎月あたり最低約10万7000円の貯蓄をしてください。
なんといっても、お子さんが生まれるまでが「貯めどき」です。
総務省の家計調査「年齢階級別に見た暮らしの特徴」(2016年)によりますと、 子供がいる30歳代の世帯は、ほかの年代に比べて、幼児教育費用や保育費用が多く、平均で年間20万2467円の教育費がかかっていますが、これが40歳代の世帯だと、教育費は年間48万5821円、50歳代は50万9693円です。しかも、教育だけではなく、人生全体になにかとおカネはかかります。いかに貯めていくか、なるべく早い時点で計画することが大切です。では、必要額を貯蓄するために、具体的にどんなステップを踏めばいいでしょうか。
「前原家」だけでなく、読者の皆さん、特に共働き夫婦の方々はぜひ参考にしてください。
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