「問題のデパート」欧州をドイツは救えるのか 欧州の旗手にさえ「衰退」の兆候
欧州ついて悲観的になる話を知りたいって? では、教えてあげよう。
悲観的になる最新の理由はドイツだ。突然、誰もが認める欧州のリーダーから、「でくのぼう」に成り下がってしまった。 アンゲラ・メルケル首相は、新しい連立政権を樹立しようとし、政府のコントロールを維持しようとしたが、先週末失敗に終わってしまったのだ。
控えめかつ優れたセンスを持つリーダーであるメルケル首相は今、決断を迫られている。連立政権を目指し困難な交渉をもう一度試みるか、少数与党政権か、はたまた選挙をやり直すか。
欧州各地で問題が発生
その間、英国は欧州連合(EU)離脱を進めているが、ほぼ45年にも及ぶ結束を解消する膨大な手続きは、英国の弱体化した保守政権の力量を超えているように思われる。
しかしブレグジットをめぐる国民投票で声を上げた人々も、そして誰にも、この国の舵を取り方向転換させることはできない。 イタリア右派は地方選挙で躍進したが、EU懐疑に至るほど右派寄りへと傾いている。この政党は現在、来年早々に行われる一般選挙で優勢とされている。
スペインはカタルーニャ州政府を解体し、直接管理下に置いている。スペインで最も裕福なこの地域が、憲法に違反する住民選挙で独立の票を投じたからだ。 皮肉にも、スペイン政府の行動は独立を助長しそうである。
ポーランドでは、法と正義党に率いられ、ますます独裁主義となる政府がEUと日々やりあっている。ポーランド元首相である欧州理事会のドナルド・トゥスク議長からの集中攻撃だ。