カルビーがクレームを再購入につなげる秘密 「ご指摘」か「ご相談」か見極められますか?

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たとえば、先のお客様に、コミュニケーターはお詫びのあとに次のように回答しました。

コミュニケーター「20年もご愛顧いただき、本当にありがとうございます。また、わざわざお気づきいただいたことをご連絡くださいましたこと、お礼申し上げます。製造方法や塩分量などの商品規格は昔と変更しておりませんが、販売増によって昔のように瀬戸内海のえびだけでは賄いきれず、国外からも基準に合ったえびを調達しております。長年お召し上がりくださっているので原料による微妙な違いをお感じになったのではないでしょうか」

お客様「昔から食べているものに変化を感じたから気になったんです」

このやりとりを通してわかったことは「最近のえびせんはしょっぱい」というご指摘ではなく、「最近しょっぱく感じるけれど、なにか以前と変えた点があるのか知りたい」というロングユーザー目線のご質問であるということから、お客様の真意が見えてきます。怒っていらっしゃるとか、体への害があったご指摘というよりは、「カルビーに聞きたいことがある」というご質問であると解釈します。

違いを感じているユーザーには工夫が必要

「ヘビーユーザー」「ロングユーザー」の方の「何か以前との違いを感じている」というご質問への対応は近年、工夫が必要になってきました。

真意である「以前との違いを知りたい」、に対して「製造方法や商品規格に変更はございません」と回答すると、ご理解はいただけるのですが、それだけだとご立腹される方も増えてきました。ご立腹の真意は、「長年(いつも)食べているのにカルビーは私の言うことを信じてくれなかった」というものです。

前述の回答のように、「変更はございませんが○○の違いを長年(いつも)お召し上がりくださっているのでお感じになられたのではないでしょうか」と回答することで、お客様に「自分の意見を受けとめてくれた」と感じていただけると私たちは考えています。

実は、カルビーに寄せられるお客様の声のうち、約7割がご意見、ご質問、ご要望といった「ご相談」です。

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