「民主村」徹底破壊があぶり出す中国の暗部 監視と密告に住人たちは口をつぐんでいる

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このうちZhang Bingchai氏は虚偽情報を流布したとして2年の実刑判決を受けている。2人の知人によると、Zhang氏は村の状況を携帯電話で外部に伝え、当局によるデモ鎮圧の様子を撮影し映像をネットに投稿したのだという。

抗議運動に対する当局の強硬路線は、社会の安定を確保したい中国政府の思惑を反映している、と烏坎村を何度となく訪問したことがあり、北京に同村の支援団体を創設したXiong Wei氏は語る。

「そして彼らは大きな成功を収めた。人々は誰も顔を上げようとしなくなった。だが(土地収用)問題は解決していない」と付け加えた。

道沿いに立ち並ぶプロパガンダ

武装警官が警戒に当たる検問所を抜け、烏坎村へと続く幹線道路に入ると、道沿いに並ぶ巨大な看板広告や鮮やかな旗が視界に飛び込んできた。これらは社会の安定と平和をうたったプロパガンダで、こうした広告やポスターは村の至る所にある。

「人民を愛する戦略を遂行するために団結し前進しよう」と書かれた看板には、銃を手に取りながら、天安門広場に掲げられた毛沢東の肖像画を見つめる兵士たちの頭上を、ハトの群れが飛ぶ様子が描かれていた。

「警察と人民が協力し、調和のとれた文化的な烏坎村を築く」とも書かれている。また別の看板は人々に「新たな精神」を呼びかけていた。

だが水面下では、ロイターの取材を受けた村民たちは、拭いきれない大きな憤りを抱えていた。

「村は壁にぶち当たった」とある村人はロイターに語った。「人々はもう何もしないだろう」

ニューヨークで逃亡生活を送るZhuang氏は、今後も意見を述べることをやめないと語った。同氏によれば、村に残してきた彼の母親は嫌がらせを受け、自宅に監視カメラが設置された。そこを訪問する者も当局の尋問を受け、なかには拘束された人もいるという。ロイターは彼の発言を独自に確認できなかった。

村の抗議運動を率いていた他の幹部たちは辞職後に、拘束されたか、嫌がらせを受けている、と同氏は語る。「私以外、皆が口を閉ざしてしまった。いまは静まり返っている」

(James Pomfret記者 翻訳:新倉由久 編集:下郡美紀)

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