「民主村」徹底破壊があぶり出す中国の暗部 監視と密告に住人たちは口をつぐんでいる

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中国政府は1980年代、国内の村々で選挙実施を許可し始めた。とはいえ民主活動家らは、そうした村の役職を決める選挙のほとんどが当局の干渉を受けていたと指摘する。

2011年、烏坎村で繰り広げられた地元当局に対する相次ぐ抗議運動によって、ついに当局が折れ、自由で開かれた選挙を認めた。これによりこの村は「民主の村」として、中国における民主主義の希望の星となった。

しかし、いまや烏坎村は、中国当局による市民社会や個人の権利に対する締め付けに屈してしまった。2011年当時、村の抵抗運動を率いていた指導者の1人だったZhuang Liehong氏はそう嘆く。

「中国の暗部を映し出している」

「烏坎村で起きていることは、中国全土で起きていることだ」とZhuang氏は語る。「表現の自由や個人の権利がない、中国の暗部を映し出している」

ロイターは広東省政府にファックスで質問を送ったが、回答はなかった。

習近平国家主席が率いる中国政府は、国民生活のあらゆる面に共産党の統制を浸透させようとしている。こうした方針に対しては、中国当局が人々が異議を唱えることを認めず、市民社会を中央政府に対する挑戦とみなして弾圧している、との批判の声も上がっている。

「習近平氏が2013年に政権の座に就くと、市民社会の限界を押し上げようとする人々を制圧することが、自らの権力を固める政治活動の土台となった」。加トロント大学のダイアナ・フ氏と米マサチューセッツ工科大学のグレッグ・ディステルホースト氏は、「現代中国における草の根政治参加と抑圧」と題した共同論文でそう指摘する。

中国新指導部の発足によって、習主席に権力が集中するなか、一部の専門家は、習政権2期目となる今後5年間も、社会安定を目指す厳格な政策は続くだろうとみている。それは烏坎村のような地域にも影響を及ぼすだろう。

「これまでさまざまな問題に直面してきた中国共産党は、独裁体制で巻き返しを図ると決めた」と、国際人権団体アムネスティー・インターナショナル東アジア担当ディレクターのニコラス・ベクリン氏は述べた。

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