「悪質クレーマー」は一体どれだけ不当なのか

行き過ぎたお客様主義に走らないのも肝要だ

このとき、そのキャビンアテンダントが柔らかく「後ほどお伺いします」のような言い方をしてくれれば、彼も「『すみません、今は離陸前でしたね』と笑顔で応じられたと思う」と話していた。

極端な例かもしれないが、人間の怒りや不快感はちょっとしたことで増幅しかねない。社員の接遇研修を充実させることにより、従業員がつねに客側の気持ちを考えた発言や行動をとることができる社風をつくっていくことで、クレーマー発生のリスクを減少させる効果が期待できる。

やみくもにお客様第一主義を掲げない

第3は、「行きすぎたお客様第一主義」に走らないということだ。

「お客様第一主義」とか「お客様は神様」というスローガンはよく使われるが、おカネを払ってくれるお客様を大切にしなければならないのは当然のことである。

ところが行きすぎたお客様第一主義は、場合によっては逆に、クレームの原因になってしまうおそれがある。

たとえば、受注生産の会社で、「急に御社の商品が必要になったので、明日までに納品してほしい」というような依頼が顧客からあった場合、どう対応するかである。もちろん、時と場合によるが、二つ返事で「はい、直ちに対応します」と返事をすることは簡単だが、一方で従業員に徹夜で仕事をさせていたら、従業員は疲弊してしまう。

そして、一度や二度は従業員に徹夜をさせてつじつまを合わせたとしても、同じことが続いてギブアップしたら、「前回までは対応してくれたのに、今回は対応してくれないとは何事だ!」と、悪質クレームとまでは言い切れないが、「無茶ぶり」のクレームにつながってしまうのである。

お客様のために頑張ってきたのに、結果的にそれが裏目に出て、最終的な顧客満足につながらず、従業員も長時間労働を強いられて、何もいいことがない。

このような「行きすぎたお客様第一主義」によるクレームの発生の弊害を避けるためには、経営者は、やみくもにお客様第一主義を掲げるのではなく、自社のキャパシティを把握し、標準納期を設定したり、サービスメニューを明確化したりすることなどを通じて、顧客満足度と従業員の過重労働防止のバランスを図っていく必要がありそうだ。

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