子どもの英語教師はネイティブでなくていい 英語を自然に身に付けるのに必要なこと
よく「英語を学ぶならネイティブスピーカー」という意見を聞きます。英語のネイティブスピーカーとは、英語を母語にもつ人という意味です(最近は第2言語として英語を流暢に扱える人も、ネイティブスピーカーと呼んでいます)。子どもが英語を習うのには、本当にネイティブに習うのが最良なのでしょうか。実はこれは必ずしもそうとは言えません。
理由の1つは、英語を聞く「時間」が短すぎることにあります。確かにネイティブの英語は流暢なので、その自然な英語を耳にできることは学習者にとっては価値があります。
しかし、英語を本当に身に付けようとするのであれば、週に1回のレッスンでネイティブの英語を聞く程度では、十分ではありません。母語に近い形で英語を習得するには、まずは多くの英語音声を聞く必要がありますが、1回60分のレッスンだったとしても、先生の英語を耳にするのは数十分程度。それでは、英語の音声に慣れ親しむには不十分です。
英語をいつでも聞ける環境を作ればいい
赤ちゃんは母親の語りかけだけでなく、母親と父親の会話やほかの大人の会話、もしくは周囲の兄姉の言葉を聞いて真似をし始めます。母語と同じ量の英語を耳にすることは不可能に近いですが、できるだけ多くの英語を耳にする必要はあります。ですから日常生活の中に自然に英語を耳にできる環境を作り、子どもが多くの英語音声を聞けるようにするのが望ましいのです。
たとえば、英語音声が収録されているCDを日常生活の中で流すと、子どもは英語を耳にすることになります。内容は子どもが好んで聞くことのできる物語や歌で、英語だけでは内容を理解することはできませんから、英語と日本語の両方が収録されている作品がいいでしょう。
朝起きるとき、おやつのとき、おもちゃで遊んでいるときなどにかけ、存分に英語の音声を耳にします。そのときに子どもはじっと英語を聞いている必要はありません。子どもは聞いていないようで聞いているので、「ながら聞き」で十分です。何をどのように聞くかといったことを、日本語話者の指導者は子どもの様子を見ながらアドバイスすることができます。
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