高橋:確かに、「インスタ映え」が重視されており、雑貨などもデザイン志向になっています。たとえば、アイスキャンデーの形をしたせっけんなどが非常に売れているんです。
その一方で、今はスマートフォン1強時代だからこそ、スマホにはない「感触」を私たちは求めていて、実際にクッションのような感触のよい雑貨も人気を集めているんです。
オモチャや雑貨に限らず、家電などにおいても、これからの商品開発は「感触」がポイントになるとぼくは考えています。性能に差をつけるのは難しいので、いかに扉を気持ちよく開けられるか?といった部分で勝負するようになるんです。
常見:高級車だって、ドアの重さやシートの革の感触が全然違うので、病みつきになってしまうといいますよね。ついつい周りの人たちにも「ドアを開けてみる?」って勧めたくなります。
高橋:そうなんです。感触って人についついシェアして、伝えたくなるものなんです。
「伝えたい欲求」がヒットの鍵
高橋:ハンドスピナーが流行したのも、そういった人々の「伝えたい欲求」にハマったからだと思っています。以前ぼくは「人はモテたいからモノを買う」と考えていました。異性に限らず、職場や家族、学校でモテたいからモノを買うんです。
ですが今は「伝えたいから」モノを買っているんだと考えを変えています。たとえば、ハンドスピナーはその場で渡すだけで、相手に面白さを伝えることができますよね。難しい言葉はいりません。
常見:ついつい誰かに伝えたくなるんですね。最近ヒットした「ニンテンドークラシックミニ」、通称ミニファミコンも同様の理由ですよね。買ったことをSNSなどでつぶやきたくなります。
高橋:ぼくも購入しました。懐かしさはあるものの、そんなにゲーム性は高くない。でも、歴史をコンテンツにして、さらに小さく作り直したのはすばらしいです。
常見:「復刻版のファミコン、スーパーファミ」として売られていても、これほどヒットしなかったでしょうね。
高橋:それにそのシェアの仕方がサムくない、スベらない、という点が重要だと感じています。私たちは「いいね!」の文化に毒されていますから。
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