日本人が知らないサウジ王族の「超金満生活」 月給3000万円、バカンスは1000人が同行
トランプ大統領とムハンマド皇太子は、年齢こそ離れているが、その政治手法は予測不能で大胆という点で似通っている。スンニ派の盟主を自任するサウジは、シーア派の大国イランと中東地域で覇権争いを演じるが、トランプ大統領は6月のカタール断交や、10月のイラン核合意の破棄警告を筆頭に、サウジ側に立つ姿勢が鮮明だ。ムハンマド皇太子が勢いづいているのは、トランプ氏という超大国の指導者が背後で援護していることも要因の1つだ。
今回の汚職摘発劇でも、トランプ大統領は「サルマン国王と皇太子には絶大な信頼を寄せている。彼らは何をやっているか十分に理解している」とツイートしている。
世界で最も豪華な刑務所
拘束されたと伝えられるのは、アルワリード王子のほか、建設大手ビンラディン・グループのバクル・ビンラディン会長、テレビ局MBCの所有者であるアルワリード・イブラヒム氏ら資産家の面々も含まれる。
米経済紙ウォールストリート・ジャーナルによると、サウジ政府は一連の摘発により、計8000億ドル(約90兆円)の資産の没収を狙っているとの話もある。拘束された王族らが収容されているリヤドの高級ホテル「リッツ・カールトン」は、「世界で最も豪華な刑務所」となっている。
サウジ王族の腐敗問題にメスを入れたり、経済改革を断行したりするのは、人口増加や原油価格の低迷といった構造問題に直面するサウジにとっては不可欠。ムハンマド皇太子の英断は、将来的な課題を先延ばしにせず、手をつけたものとして評価する向きも多い。早い段階で政敵となりうる人物を排除しておくことも、将来的な政治の安定には資するかもしれない。
王室の調和や戒律が厳しいワッハーブ派宗教界との協調で漸進的な改革が進められてきたサウジは、80歳を超す高齢のサルマン国王に代わって実質的に国政を執り仕切るムハンマド皇太子時代になって変質している。
もはや「サウード家のアラビア王国」を意味するサウジアラビアではなく、「サルマン・アラビア」と現国王をもじる表現も登場している。このため、粛清された前国王派らの不満も蓄積している可能性がある。他方、ムハンマド皇太子に権力が集中する現在、反対派として旗幟を鮮明にすれば粛清を免れないだけに、寄らば大樹の陰で皇太子の改革路線に支持が集まるとの予想も多い。
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