アマゾンのAIスピーカーが最強といえるワケ 約4000万曲聴き放題の定額サービスも発表

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本ではLINEが10月5日に「Clova WAVE」、グーグルが10月6日に「Google Home」を発表。対応サービスも発表済みだ。各社とも連携できるサービスの幅を徐々に広げている。アマゾンもEchoを発表する前からサービスを連携する各社の名前を挙げてきた。

それぞれの立ち位置の違いから立ち上げ方は異なるが、俯瞰してみると全体のフレームワークに大きな違いはない。他社アプリ・サービスと連携をする仕組みの提供と、他社オーディオ製品向けのライセンスだ。AIアシスタントのプラットフォームを強化するため、他社サービスと接続して利便性や適応範囲を拡げ、さまざまなオーディオ製品にも自社AIアシスタントサービスへの窓口を作ることで、まずは利用者数を拡大していく。

当然ながら、立ち上げ時には“どのサービスはどっちに対応”といった勢力図が出来上がっていくが、それはおそらく黎明期の現象に過ぎない。米国で市場が急拡大しはじめた1年近く前なら話は別だが、今後は“一定以上の存在感を持つAIアシスタントには対応する”のが当たり前になっていくだろう。

たとえばポケモンは11月1日にAIスピーカーと連動するサービス「ピカチュウトーク」を発表したが、アマゾンのアシスタンスサービスであるAlexaとグーグルのGoogleアシスタントの両プラットフォームに対応する。

アプリケーションやサービスを提供している側の視点で言えば、中期的には特定のパートナーを決めずに主要なAIアシスタントには対応していくほうが理にかなっている。対応サービスやアプリケーションの獲得合戦は、そう長くは続かないのではないだろうか。

カギを握るのは「Amazonプライム」

そうした中で筆者が注目しているのが、「Amazonプライム」が日本市場におけるAIスピーカーの勢力争いにどう関わっていくかだ。Amazonプライムは米国市場で加入率が高く、この夏には加入者が8500万人に達したと発表している。Amazon.com利用者の3分の2が加入している計算だ。

一方、日本での加入者数は未発表だが、週刊東洋経済が5月にNTTコム リサーチと共同で行った調査によると、Amazonプライム加入率は利用者全体の16.6%。推定契約者数は200万~300万人ぐらいで、日米の人口差を考慮に入れたとしても控え目な数字だ。

しかしながら、アマゾンでの買い物が多い得意客がAmazonプライム会員であることを考えれば、Amazon Echoのような黎明期にある商品ジャンル立ち上げには大きな武器になるのではないだろうか。

AIスピーカーは自然言語を用いた会話型のユーザーインターフェースで、日々の生活をサポートしてくれる。その基本部分については、多少の違いはあるものの、各社サービスで決定的な違いはない。将来的には連携サービス、連携アプリも近付いていくだろう。

だが、一方でAIスピーカーは体験型商品でもある。AIスピーカーとはどんなものだろうか。そう考えて購入するアーリーアダプターにとって魅力的なのが、Amazonプライム会員に用意されている特典サービスだ。中でも重要なのがプライムミュージックだろう。

次ページ約4000万曲の音楽定額サービスを発表
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事