必ず食える「1%の人」になる方法

藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(上)

アプリの野望が芽生え、プログラミングを勉強

Tehu: そのアプリが2万ダウンロードいったというので、これでいくならボクもつくれば2万ぐらいいけるんじゃないかなと思ったんです。そこからプログラミングの勉強を始めました。 

灘のなかにも当時、パソコンを使っている子があまりいなかったので、「もしかしたらオレ、これで何とかなるかも。ちょっと一山当てるか」みたいな野望が正直、ありました。 

藤原: それ、13歳だよね?

Tehu 13歳です。それから110時間ぐらい勉強して、半年ぐらいでそこそこできるようになってですね。 

藤原: 学校に行きながら? 

Tehu: 学校に行って、帰ってきたらすぐプログラミングの勉強を。半年たって、そろそろ出せるものを作ろうと思ったんですが、技術はあってもアイディアがないんですよ。 

苦しまぎれに出した初めてのアプリが、「節分恵方計算機」。節分のときって、恵方巻きを恵方に向かって食べるといいというじゃないですか。でも、方角が毎年変わるんです。だから、年数を入力したらピッと方角を出してくれるアプリをつくったんです。 

これはけっこういけたなと思ったんですが、よく考えたら年に1回しか需要がなくて、しかも出したのが9月。2月の真裏でした。

藤原: (笑) 

中2で肝臓がヤバくなり、健康アプリをつくった

Tehu: それで「いいアプリだけど、必要ない」というコメントがたくさんついて、ああ、そうか、自己満足じゃなくて、相手を考えてつくらないとダメなんだと気づいて、次、相手をどうしようと考えて、まず自分に設定したんです。

当時、ボクはいまよりかなり太っていて、健康診断で「肝臓の値がヤバい」と言われまして。 

藤原: 「γ(ガンマ)-GPT」が高かったのね(笑)。 

Tehu: そうです、そうです。中2で肝臓がヤバくなって、そこで考えたのが、健康管理ができるアプリ。体重や身長を入力したらBMIを計算できてグラフにできる。それを出したら、おかげさまでヒットして180万ダウンロードいきました。 

藤原: それ、おカネは入るの? 

Tehu: 無料アプリなんですけど、途中から広告を入れたんです。ちょうどiPhoneアプリに広告を入れるというのが出始めのときで、ワンクリック4円とか。それでも最高で月340万円入ってきました。 

藤原: 中2で、もう中堅サラリーマンの収入が入ってきちゃったわけだ(笑)。

 灘校にやっと自分の居場所ができた

Tehu: それで「めざましテレビ」とかに出たりして、灘のなかでも「あいつ、いろいろやってるらしいぞ」とウワサになって、やっと自分の居場所をゲットしました。 

藤原: そうか。居場所をつくるまでの格闘があったんだね。それにしても学校に通いながら、1日10時間勉強するってすごいよ。

マルコム・グラッドウェルが『天才!成功する人々の法則』(講談社)のなかで、「天才」というのは生まれつきの資質や才能じゃなくて、置かれた環境や時代、それとその分野に1万時間を投じたかにすぎないと言っているんだよね。その時代にその練習量を確保した人、それに耐えた人、それを続ける能力がある人ということ。 

Tehu: 実はプログラミングの勉強を始めたときに、親に「1万時間の法則」を教えられたんです。「テレビで見たよ」って。それで実際に計算してみたんですよ。毎日10時間やれば3年で1万時間になるなって。 

藤原: 中1で「1万時間の法則」を意識していたの? オレの本にもさんざん書いているけど、1日10時間やれば3年、6時間やれば5年、3時間やれば10年なんですよ。それぐらいの集中力を発揮できる人はたぶんいっぱいいるし、おもしろければ人が「やめなさい」と言っても夢中になってやるんだよね。 

Tehu: そうですね。

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