必ず食える「1%の人」になる方法 藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(上)
小2で英検3級、日能研で全国1位
藤原: 家庭では日本語を話しているの?
Tehu: いえ、中国語です。両親とも中国人なので。
藤原: 中国語でずっと話していて、それが英語に変わることもあるの?
Tehu: いや、うちの親は英語が話せないので、公文式で英語のCD教材をひたすら使っていました。1998年頃、ちょうど英語教材に音声が使われだして、機械にカードをさしたら「This is a pen」とか流れる。3歳だと文法を理解していないので、先生はいろんな手立てを使って、英語を染みつかせるように教えてくださった。そのおかげで小学校2年生の段階で英検3級、リスニングでも満点を取ったんです。
藤原: えっ、小2で?
Tehu: 小2です。
藤原:英検3級って、だいたい2000ワードなんですよ。ちょっと前の学習指導要領だと、中学3年までで1000ワード。それの倍。
Tehu: はい。でも、公文はそこでやめちゃったんです。灘を受験するために日能研に行きました。ただネットがあるので、英語を聞く機会はあって、耳はずっと守っていました。日能研は週1で全国模試があるんですが、英語の成績は独走して、全国1位を取ったりしていました。
灘校に最下位で合格、初めて壁にぶち当たった
藤原: 小学校は普通の公立なの?
Tehu: 1年生から5年生までは中華系のインターナショナルスクールでした。そのなかでずっとトップを取っていて、最後6年生の1年間は地元の公立に移ったんです。そこでももちろんトップの成績で、灘を受けたんですが、ボク、最下位で受かったんですよ。180人の枠があって、最初に220人取るんですけど。
藤原: 最下位なんてどうしてわかるの?
Tehu: 希望者には点数を開示するんです。それがトップ高の余裕なのかどうか知りませんけど、「出してやるよ」みたいな感じで。
藤原: 偉そうだね(笑)。「おまえ、入れてやったぜ」みたいな。
Tehu: まあ、それには一応理由があって、東京から受験するヤツが多くて、開成受験の人が予選みたいな感じで受けに来て、開成の合格発表後に抜けるんです。その分、あとで補充するから合格点が5点ぐらい下がるんですね。なので点数を開示しておいて、それを見て「4点差だから入れるかな」というふうにみる人が多い。
ボクは合格発表時の最低点で受かって、ここでまず「あれっ」と思ったんです。いままでずっとトップだったのに、この学校、ちょっとまずいかもしれないなって。
藤原: (笑)勝手が違うぞと。
大学院レベルの数学を解いている生徒がいた
Tehu: それで警戒しつつ灘に入るんですけど、案の定、隣に座っている子が、大学を超えて大学院とかの数学を中1で解いていた。「オイラーのうんちゃらかんちゃら」とかってずっと話しているんです。また、その隣の子が物理学のすごい問題集を解いていたり。
藤原: 灘校って、中学1年のときに相変わらず幾何から先にやるの?
Tehu: 初等幾何の時間が1年2年はかなり多いです。
藤原: そうだよね。図形を最初に教えちゃう。それは非常に合理的なんですよ。要するに、ビジュアルで考えるようになるからね。ただ、ほとんど偏差値75の子を集めているからそうなんだよね。算数をやる必要がない。
Tehu: そうです。周りがすごすぎです。
藤原: すげえヤツがいる。何だ、こいつらはと。
Tehu: これは終ったなと。
藤原: えっ、もう終っちゃったの?(笑)