必ず食える「1%の人」になる方法 藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(上)

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小2で英検3級、日能研で全国1位

藤原: 家庭では日本語を話しているの? 

Tehu: いえ、中国語です。両親とも中国人なので。 

藤原: 中国語でずっと話していて、それが英語に変わることもあるの? 

藤原和博(ふじはら・かずひろ)
杉並区立和田中学校・前校長、教育改革実践家
1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年より欧州駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08から11年、 橋下大阪府知事ならびに府教委の教育政策特別顧問。著書にベストセラーになった「人生の教科書」シリーズ(ちくま文庫)のほか、ビジネス系では『リクルー トという奇跡』(文春文庫)、教育系では『校長先生になろう!』(ちくま文庫)などがある。『坂の上の坂』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)。

Tehu: いや、うちの親は英語が話せないので、公文式で英語のCD教材をひたすら使っていました。1998年頃、ちょうど英語教材に音声が使われだして、機械にカードをさしたら「This is a pen」とか流れる。3歳だと文法を理解していないので、先生はいろんな手立てを使って、英語を染みつかせるように教えてくださった。そのおかげで小学校2年生の段階で英検3級、リスニングでも満点を取ったんです。 

藤原: えっ、小2で? 

Tehu: 小2です。 

藤原:英検3級って、だいたい2000ワードなんですよ。ちょっと前の学習指導要領だと、中学3年までで1000ワード。それの倍。 

Tehu: はい。でも、公文はそこでやめちゃったんです。灘を受験するために日能研に行きました。ただネットがあるので、英語を聞く機会はあって、耳はずっと守っていました。日能研は週1で全国模試があるんですが、英語の成績は独走して、全国1位を取ったりしていました。 

灘校に最下位で合格、初めて壁にぶち当たった

藤原: 小学校は普通の公立なの? 

Tehu: 1年生から5年生までは中華系のインターナショナルスクールでした。そのなかでずっとトップを取っていて、最後6年生の1年間は地元の公立に移ったんです。そこでももちろんトップの成績で、灘を受けたんですが、ボク、最下位で受かったんですよ。180人の枠があって、最初に220人取るんですけど。 

藤原: 最下位なんてどうしてわかるの? 

Tehu: 希望者には点数を開示するんです。それがトップ高の余裕なのかどうか知りませんけど、「出してやるよ」みたいな感じで。 

藤原: 偉そうだね(笑)。「おまえ、入れてやったぜ」みたいな。

Tehu: まあ、それには一応理由があって、東京から受験するヤツが多くて、開成受験の人が予選みたいな感じで受けに来て、開成の合格発表後に抜けるんです。その分、あとで補充するから合格点が5点ぐらい下がるんですね。なので点数を開示しておいて、それを見て「4点差だから入れるかな」というふうにみる人が多い。

 ボクは合格発表時の最低点で受かって、ここでまず「あれっ」と思ったんです。いままでずっとトップだったのに、この学校、ちょっとまずいかもしれないなって。 

藤原: (笑)勝手が違うぞと。

大学院レベルの数学を解いている生徒がいた

Tehu: それで警戒しつつ灘に入るんですけど、案の定、隣に座っている子が、大学を超えて大学院とかの数学を中1で解いていた。「オイラーのうんちゃらかんちゃら」とかってずっと話しているんです。また、その隣の子が物理学のすごい問題集を解いていたり。 

藤原: 灘校って、中学1年のときに相変わらず幾何から先にやるの? 

Tehu: 初等幾何の時間が1年2年はかなり多いです。 

藤原: そうだよね。図形を最初に教えちゃう。それは非常に合理的なんですよ。要するに、ビジュアルで考えるようになるからね。ただ、ほとんど偏差値75の子を集めているからそうなんだよね。算数をやる必要がない。

Tehu: そうです。周りがすごすぎです。 

藤原: すげえヤツがいる。何だ、こいつらはと。 

Tehu: これは終ったなと。 

藤原: えっ、もう終っちゃったの?(笑) 

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