必ず食える「1%の人」になる方法 藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(上)
どの世界にもすごい人がたくさんいる
藤原: それで、どうして別の分野を組み合わせようと思ったの?
Tehu: ITで1つ専門分野をつくったんですけど、灘のなかでガチの勉強専門の人がいて勝てないと悟ったのと同じように、ITの世界に行っていろんな人に会うようになると、やっぱりそこにもすごい人がたくさんいて、ITの世界で勝てないなと気づいたんです。
1人は灘の生徒で、実はボクがプログラミングを教えたんですが、みるみる成長しちゃって、あれーって感じで。もう1人はプログラミングができすぎて、高校に行かずにいまクックパットでバリバリやっています。その2人に出会って、これはITの世界でトップになるのは無理だなと悟りました。
藤原: アメリカなんかだと、「ギーク」っていう、すごいヤツがいるよね。高校に行かずに会社と契約するみたいな。そういうのと出会っちゃったんだ。
また新天地を探す旅に
Tehu: 出会っちゃったんです。それでまた新天地をさがす旅が始まるわけです。そこで選んだのがデザインの世界。デザインといっても、もっと広い意味でのモノづくりです。
なぜかというと、アプリってプログラミングも大事なんですけど、デザインとマーケティングが命なんです。いくらいいプログラムが書けても、見た目が悪かったら絶対ダウンロードしてくれないし、売り込まなかったら絶対ヒットしない。とくにいまはそうで、アプリを公開しても、90%のアプリは100ダウンロードもされずに消えるんですね。
ボクはそれまで感覚的にデザインとマーケティングやっていたんですが、もっと本格的にやってみようと思った。それからいろんな人脈をつくって、知り合いから頼まれたデザインをやり始めました。
あと、しゃべりも自分はいけるらしいとわかってきて、ネットで放送を始めたりして、触手を広げまくっていったんですが、すべての場ですごい人に出会ってしまうんです。
藤原: (笑)わかる。
Tehu: なので、たぶんボクは100人中3位ぐらいの分野が10個ぐらいあるんですよ。
藤原: 1つの分野でトップ1%じゃなくて、3%ぐらいでどんどん横展開していくんだね。
「女優型」と「アイドル型」
Tehu: はい。ボクはそれを「アイドル型」と名づけているんです。「アイドル型」と「女優型」があって、「女優型」の人は、美貌と演技力がトップ1%以上で突き抜けている。
一方、「アイドル型」の人は、女優さんほどの美貌はなくて、まあトップ3%ぐらい。演技力もそこそこで3%。そのかわり、歌、踊り、バラエティーの分野を全部掛け合わせるとなかなかすごい、というふうになる。
で、ボクは自分のことを「アイドル型」と言っているんです。アイドルではないですが(笑)。
藤原: 具体的なモデルでいうと、たとえば誰のような人?
Tehu: やっぱり指原(莉乃)じゃないですか。
藤原: 指原。
Tehu: 今年のAKBの選挙で1位だった。彼女なんて、見た目はたしかに恵まれているわけじゃないんですが、ただ演技力もそこそこあって、バラエティーの適応力がすさまじいんです。秋元康さんが一番評価していて、指原を「天才」だと言っているらしい。それで、いま1位になっちゃったんです。
藤原: きっと頭がいいんだな。
Tehu: 頭がいいんです。
藤原: オレが推奨しているのが、「100人に1人」の分野を3つ掛け合わせて「100万人に1人」に進化する三角形なのに対して、Tehu君は「100人に3人」のレベルで10分野ぐらいダーッと横展開する多角形進化法。そういう生き方もあるよね。
(司会:佐々木紀彦、構成:上田真緒、撮影:尾形文繁)
※ 対談の続きは9月26日に公開します
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