必ず食える「1%の人」になる方法

藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(上)

ハングリー精神が家庭にあった

Tehu: ボクはけっこう野心を持っていたほうで、「天下取るぞ」ぐらいに思っていたんです。親の影響もあります。両親は中国で芸能をやっていて、中国では芸能ってトップ層なんですが、日本に来て時給500円の皿洗いから再スタートした人なんです。

やっぱりハングリー精神が家庭にあって、ボクもたぶん影響を受けている。「上に上に」という感じがあって、そういうなかで初めて壁にぶち当たった。 

藤原: 親が中国系の弁護士や医者じゃないわけね。 

Tehu: じゃないです。 

藤原: 灘校、そういう人がいるでしょう。韓国系や中国系の医者や弁護士のせがれが。 

Tehu: いますね。うちは両方歌手でした。 

藤原: おもしろい。そっちの才能、あるかもしれないね。 

Tehu: たまに「声はいい」と言われます。父親はいまナレーターをやっていて、某大手メーカーの中国向けの映像は全部、父がナレーションをしています。 

藤原: へえ。

1年半迷走、アップルに惚れ込む

Tehu: で、灘に入って1年半迷走しました。当時、「スイ・ヘイ・リイ・ベイ(HHeLiBe)」に憧れを持っていて、あれを自由に書ける人になりたくて、化学研究部に入ったり。 

Tehu(てふ)
デジタルクリエーター、プロデューサー、パーソナリティー
1995年神戸市生まれ。灘中学校を経て現在、灘高校3年生。中学生の時にプログラミングに興味を持ち、2009年にiPhoneアプリ「健康計算機」を公開。ダウンロード数が無料アプリで世界第3位となる。2010年からユーストリームで「Tehuのオールナイトニホン」を放送開始。米アップルの新製品記者発表を同時通訳する番組を定期的に放送し、人気を集める。2013年、グーグル日本法人元会長の村上憲郎との共著『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力のつくり方』(角川書店)を発売。現在、多くの企業のプロジェクトに参加するほか、講演や雑誌連載など多岐にわたって活動している。本名は張 惺(ちょう・さとる)。日本語、英語、中国語を操る。

藤原: 化学(ばけがく)に。 

Tehu: はい。中1で化学グランプリという、いわゆる化学オリンピックの予選を受けて同学年トップになったんですが、いまいち興味が持てず、違うなあと思いだした。 

それで、中1の7月にiPhoneが日本に上陸したんです。昔からパソコン好きで、単なるユーザーとして使っていたんですけど、iPhoneのウェブサイトを見ていたら、もう惚れ込んで、買うまでの2カ月間、アップルの作ったデモビデオ15分を毎日5回ぐらい、たぶん累計200回以上見ました。 

藤原: 暗唱できるぐらい。 

Tehu: はい。いまでも覚えています。「Cisco IPSec VPNを使用したこのシームレスなネットワーク構成によって」とか、そういうアップルぽい、外来語を使うナレーションを全部覚えてしまいました。 

で、8月の誕生日に買ってもらって、そこからですね、アップルに惚れ込んじゃって、テクノロジーってすごいと気づいて、その年の12月にMacを買いました。

親は「何で買わなきゃいけないの?」みたいな感じだったので、成績と引き換えに交渉して、「学校の成績で30番以内を取ったら買ってもらう」ことにしたら、180番だったボクが20番を取った。物欲ってすごいなと思いました。

藤原: やればできるじゃんと。 

Tehu: めでたくMacを買ってもらって、ネットを見ていたら、AP通信の記事で「シンガポールの9歳の子がアプリをつくった」と話題になっていた。その子のお父さんがシンガポールの超有名なIT企業のCTO(最高技術責任者)らしいんです。 

それでダウンロードしてみたんですよ。お絵かきソフトで、指でピーッと触ると、四角や三角や丸のカラフルな図形が指のあとを追いかけてくる。記事には「妹のためにつくった」と書いてありました。 

藤原: ちょっとできすぎなストーリーですね。親父、やったなみたいな(笑)。 

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