「50代の結婚」という夢を叶えた人の"決め手" 人生100年時代に「後半戦」を楽しむヒント

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離婚が成立したとき53歳。恭子さんと違って、再婚という発想はすぐには浮かばなかった。仕事と子育てに懸命だった5年間の反動からなのか、趣味の音楽などに没頭したようだ。

「私は寂しいと物欲に走るようです。ギター、自転車、時計などを次々と購入しました。でも、いくらモノを買っても心にあいた穴は埋まらないんですね。そのとき、頭に浮かんだイメージがあります。私の心にお盆みたいなものがあって、底にあいている穴から水がジャージャーと流れ出しているんです。この穴を埋めるのは人の心しかない、とようやく気づきました」

当時、頻繁に通っていたイタリア料理店のオーナーに話したところ、幸太郎さんと同じような常連客の40代男性がエクシオ(婚活パーティ大手)で結婚相手を見つけたと教えてくれた。

「奥さんに会わせてもらったのですがとてもいい方で、うらやましくなりました。オーナーからは『大谷さんも行かなきゃダメですよ。いま、この場で申し込みましょう』と強く勧められました」

まさかのモテ期到来

なかなか強引なオーナーである。なぜエクシオ限定なのかも疑問だ。しかし、2カ月後には恭子さんと出会えるのだから感謝しなければならない。娘の菜穂さんも背中を押してくれた。

当時、菜穂さんは就職3年目。海外での生活にはすぐになじみ、仕事が楽しくなってきたようで、老親と暮らす幸太郎さんの将来が心配だったようだ。

「早く再婚しなよ。でも、機関銃みたいに弾をガンガン撃たないと当たらないよ」

幸太郎さんは「自分が動かないと何も始まらないのだ」と覚悟し、エクシオの婚活パーティに参加するようになった。何かをやりだすと集中する性質もあり、すべての週末を婚活に充てた。59歳でバツイチの自分なんか、と諦め半分だったが、最初のパーティからカップリングに成功。中には40歳の女性もいた。幸太郎さんのモテ期到来である。

「でも、デートして話をしていてもズレを感じるんです。ジェネレーションギャップもあったと思います」

実は、幸太郎さんは恭子さんと婚活パーティで2度も会っている。恭子さんのほうは最初から幸太郎さんに好感を抱いた。すでに2年近く婚活をしていたので、自分はどんな人を求めていて、どんな人が合いそうなのかという分析が進んでいたのだ。幸太郎さんは高身長で、姿勢がよく、現役で働いていて、コミュニケーション能力が高くて、しかもお父さんとして娘を育て上げた経験がある。ほとんど恭子さんの理想どおりの男性だ。

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