「50代の結婚」という夢を叶えた人の"決め手" 人生100年時代に「後半戦」を楽しむヒント

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一方の幸太郎さんは、いきなり離婚理由を恭子さんに話してしまった。前妻が娘に暴力を振るって……というヘビーな話である。自分も一人娘を守り育ててきた恭子さんは、まだ見ぬ菜穂さんがかわいそうすぎて絶句してしまった。笑うことなどできない。幸太郎さんとの話が弾むはずもなかった。「彼は私のことを気に入っていないな」と感じたという。

幸太郎さんはそれどころではない。「1人でも多くの女性とデートを続けることが婚活なんだ」と思い込み、1日のうちに3人とデートするような生活に突入していた。もちろん、男女関係になるわけではない。駆け引きの状態を複数の女性と続けつつ、さらにパーティにも参加していたのだ。

「私の婚活はちょっと間違っていたかもしれません。とにかくたくさん会わなくちゃ、と義務的に考えていました。正直、クタクタに疲れていました」

そのときに恭子さんとパーティで再会した。幸太郎さんのちょっとおかしな婚活状況を聞いた恭子さんは爆笑。ようやく本領を発揮できた。

「こんなに楽しく笑う人なんだな、とイメージが変わりました」

「前回の重すぎる離婚話では笑えるはずないでしょう!」

筆者の前でかけ合いを始める2人。初々しさを感じるほど親しげなカップルだ。

娘たちも意気投合

2度目の出会いからは毎週末にデートを重ねるようになり、婚活は終了した。それぞれの娘も祝福してくれた。4人で会食をしたとき、すでに社会人の菜穂さんと就職を控えた大学生である美香さんは意気投合。いま、本当の姉妹のような関係になりつつあるという。

「娘たちが私たちの家事分担を決めちゃうんですよ。『うちのパパは料理ができない』『うちのママができるから大丈夫』なんて。勝手に決めるなって思いました」

幸せそうに笑う恭子さん。現在は都内にマンションを借りて、週の半分ぐらいは2人きりの生活を楽しんでいる。それぞれ老親がいるため、残りの半分は実家で介護をしなければならない。子どもは巣立ったとはいえ、大人にはいろいろな責任があるのだ。

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