最後に、財産について聞いてみた。恭子さんにはあと3年でローン返済が終わる一軒家があり、幸太郎さんには会社がある。それぞれに愛娘がいる。再婚するにあたってもめ事の不安はないのだろうか。恭子さんの答えは明快だ。
「家に関しては、前の夫が娘のためにと譲ってくれた経緯もあるので、公正証書を作っておくのがいいのかなと思っています。でも、外資系企業に就職を決めた娘は初任給から私の給料を上回っているので、おカネには困らなさそうです」
50歳はまだ人生の折り返し地点
1人で会社を切り盛りしている幸太郎さんも、恭子さんの財産をあてにする気はさらさらない。祖父母が100歳超の長寿を保ったこともあり、「人生はこれからだ」と思っている。
「私がいる業界では、60代はまだバリバリの現役なんです。65歳で引退するなんてすごくもったいない。最低でもあと10年、70歳までは働きたいと思っています。稼いだおカネは恭子さんとの生活に使っていきたいです」
恭子さんもちょうど10年後に65歳の定年を迎える。婚活中に親しくなった結婚相談所のカウンセラーからは、その会社への転職を勧められているという。優しくて前向きで、シニア再婚という成功もある恭子さんは得難い人材なのかもしれない。
「60歳までは今の会社で働いて、それから先は違う仕事をしてもいいなと思っています」
いま、人生100年時代と言われる。50歳以降は「晩年」ではなく「後半戦」なのだ。前半戦と同じぐらい果敢に楽しまなければもったいない。苦しい離婚を乗り越えて、子どもを立派に育て上げたいま、恭子さんと幸太郎さんの前には明るい後半戦が待っている。
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