「フライトフル5」がIT業界を根本から変えた

シリコンバレーに大企業病は存在しない?

Angi Homeservicesのクリス・テリルCEOは、同社は大手よりも優れたサービスを提供することを専門にしたチームを要しているという。しかし、たとえば音声アシスタントのプラットフォームなど大企業との提携にも意欲的で、その理由はフライトフルファイブの1社と提携することで成功への道のりが容易になるからだという。

大手の崩壊は狙わない

いくつかの点でIACは次世代のインターネット企業のモデルになりうる。同社は明確に大手に照準を合わせ、2番手に収まるつもりはない。しかし同社は、フライトフルファイブが程度の差はあれネット界に永続的に影響力を持ち続けることを前提としたビジネスモデルを作り上げてきた。IACは大手の崩壊を狙っているのではなく、大手の成功が続くことを望んでいる。Angiが競争に勝てば、フライトフルファイブもまた勝利するのだ。

IACの幹部はネット業界が大手に過剰に依存している危険性を認識しており、テリルも一部の大手企業が独占を強めていくことは懸念していると述べた。

IACに長らく在籍し最近までエクスペディアのCEOだったダラ・コスロシャヒへのインタビューで、インターネットはいまだにイノベーションが生まれる開かれた場所だと思うか、それともフライトフルファイブが占領しているのかと尋ねた。

「それについてはどちらともいえる」とコスロシャヒは言う。「基本的には革新的なアイデアはいまだに生き残り、成功していると思っているが、グーグルやフェイスブックのような企業は大衆消費者の行動に関するデータをはるかに多く所有しているため、おそらく市場にいち早く参入するうえで不公平な優位性を持っている。そして、驚くような額の代価も払う」

8月にウーバーのCEOに任命されたコスロシャヒは、同社で大手企業とより直接的に対峙していかなければならない。ウーバーは現代で最も価値の高いスタートアップだが、その成功は保証されているとは決していえない。同社が抱える問題の多くは自ら生んだものだが、コスロシャヒはそうした問題の改善を決意している。

しかし、スナップと同じように、ウーバーはフライトフルファイブに翻弄されている。グーグルの親会社アルファベットはウーバーに投資をしているが、アルファベット傘下で自動運転技術の開発を手掛けるウェイモはウーバーのライバルだ。さらにウェイモは企業機密を盗用したとしてウーバーを提訴している。

今後のウーバーの米国における配車サービスと自動運転車事業の行方は不明瞭だ。しかし、1つだけ確かに思えることがある。ウーバーが勝とうが負けようが、グーグルにとっては問題にはならないということだ。

(執筆:Farhad Manjoo記者、翻訳:中丸碧)

(c) 2017 The New York Times News Services 

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