アップル新本社「宇宙船」は非常識の塊だった

敷地内には果樹園・牧草地・池まである

アップルの新本社、通称「宇宙船」は、50億ドルかけてつくられた、4階建て、26万平方メートルの円形の建物だ(Laura Morton/The New York Times)

宇宙船がやってきてから、街は変わった。

観光客が歩き回り、iPhoneを取り出しては写真を撮る。新しい店も開いた。不動産価格はどんどん値上がりしている――。

カリフォルニア州クパチーノにアップルの新しい本社ができたのだ。その中心となっているのは、50億ドルかけてつくられた、4階建て、26万平方メートルの円形の建物だ。それは宇宙からも見えるほどで、地元の人々は「宇宙船」と呼んでいる。現在、最後の仕上げをしている段階だが、従業員も少しずつ移ってき始めた。数カ月のうちに、合計で約1万2000人が移動してくる予定だ。本社の敷地は全体で約71万平方メートルで、公式には「アップルパーク」と呼ばれる。

周囲の街もアップル効果を期待

周辺地域はすでに影響を受け始めた。

通りを1本挟んだサニーベールでは、95件の開発プロジェクトが計画段階にある。市政管理官のディアンナ・J・サンタナは、今までにこれほど開発が活発だったことはなかったと話す。クパチーノでは複合施設の「メインストリート・クパチーノ」が2016年に開業した。この敷地内には、今秋オープン予定の120戸の「ロフト」と呼ばれる集合住宅や、ショップや、数えきれないほどのレストランやカフェなどが設けられている。

ほかの地元企業も期待を膨らませている。メインストリート・クパチーノ内のホテル「レジデンス・イン」は今年9月に開業予定で、アップル従業員のニーズに合わせて、ホテルをカスタマイズしている。同ホテルを運営するサンドヒル・ホテル・マネジメントのパートナー、マーク・リンによると、宿泊客はMacや高速インターネット接続を利用できるという。リンはアップルの従業員が宿泊する場合、何が必要かをアップルに相談した。

「彼らのニーズにぴったりと合わせている」とリンは言う。「宿泊客のかなりの部分が、アップルの従業員になるだろうから」

次ページドローンで写真を撮る人も
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 本当に強い大学
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
中国を知り尽くす異能の外交<br>官 垂秀夫 新中国大使

中国に幅広い人脈を持ち、アグレッシブな仕事ぶりで知られてきた垂秀夫・在中国大使。世界情勢が激動する中で国力差が開く日中関係をどう舵取りするのでしょうか。中国が最も恐れる男が日中関係のリアリズムを語ります。

東洋経済education×ICT