活断層「シロ」でも苦しい関西電力の台所事情

大飯、高浜の再稼働時期は依然として見通せず

火力発電のリスク高まる

さらに危ぶまれるのが、想定外の気温変動と火力発電の事故が重なることによる突発的な需給逼迫だ。

実際、8月22日には舞鶴発電所1号機と南港発電所3号機のトラブルが重なり、関電は中部電力など4社から最大合計50万キロワットを緊急調達するという事態に追い込まれた。同日の供給力に対する需要の割合は震災後で最も高い96%という綱渡りの一日だった。

火力発電の定期検査を先延ばしにしながらフル稼働を続ければ、事故リスクは高まる。昨年のように節電の数値目標を定めずに今年の冬が乗り切れるか、予断を許さない。

原発再稼働にメドが立たないと、経営の立て直しもままならない。

関電の2013年度上半期(4~9月期)業績見通しから逆算すると、7~9月期は純利益ベースで14億円とわずかながらも、9四半期ぶりの黒字となる見込みだ。ただ、その実態は大飯3、4号機がほぼフル稼働する中、値上げに加え、記録的な猛暑によって販売量が増加した効果が大きい。

大飯が停止する下期には再び収益が悪化する見込みで、2000億円超の最終赤字となった前々期、前期に続いて3期連続の通期赤字となるのは必至。八木誠社長も「原発の再稼働がないと、黒字化が難しいのは事実」と認める。

東日本大震災前は原発依存度が4割と大きかった関電では、審査申請済みの大飯と高浜がフル稼働するか否かによって、コストは年間約3500億円も違ってくる。新規制基準施行前に2850億円と見通していた原発の安全審査対応費も大きく膨らむことが目に見えており、台所事情はまさに火の車。大飯の活断層問題には解決の道筋が見えたものの、経営の先行きは依然として険しいままだ。

週刊東洋経済2013年9月14日号

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