活断層「シロ」でも苦しい関西電力の台所事情

大飯、高浜の再稼働時期は依然として見通せず

早期再稼働シナリオに狂い

ところが実際には、電源確保の追加設備など、7月に施行された新規制基準を踏まえた数々の安全工事が必要となり、大飯3号機の検査は12月中旬までかかるもようだ。4号機も同様に、検査期間は想定より長くなると見込まれる。高浜3、4号機に至っては、規制委から津波想定の見直しを迫られ、防潮堤など追加の対策が必要となったため、再稼働時期が見通せない事態となっている。

規制委は大飯原発に関して「破砕帯評価に関して一定の見解が取りまとまった後」、新規制基準に照らした安全性審査を実施するとして、これまで実質的な審査を保留してきた。規制委は早ければ9月半ばにも安全審査を再開する方針であり、大飯は再稼働に向けて一歩を踏み出したといえる。

ただ、安全性審査が再開されたとしても、終了時期の見通しは立ちにくい。大飯3、4号機について、規制委は新規制基準による評価会合を4月から実施し、6月末に特例として定期検査までの運転継続を認めた。こうした“事前審査”をパスした実績から、一部には「大飯は比較的早く再稼働が認められるのではないか」との見方がある。

だが、規制委が下した評価は、あくまでも「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」という、暫定的な判断にすぎない。むしろ、「新規制基準施行後の審査においては対応すべき課題があり、これらに対し適切に対策を講じることが必要」とくぎを刺している。たとえば、敷地内の地下構造について「詳細に把握できているとは言いがたい」と調査不備を厳しく指摘しており、こうした課題への対応いかんで審査が長引くおそれも否定できない。

首尾よく審査に合格したとしても、周辺自治体からすんなり再稼働の同意が得られる保証はない。こうした条件を重ね合わせると、関電管内は「原発ゼロ」の状態で需要が高まる冬場を迎える公算が大きい。

大飯3、4号機の発電能力は合計236万キロワット。関電の保有する原発の中で最大の供給力を誇り、昨年7月の再稼働以降、同社の発電量の13%程度を担ってきただけに、その穴は大きい。おまけに24時間稼働する大飯が抜けると、夜間などの余剰電力で水をくみ上げて昼間に発電する揚水発電にまで影響が及ぶおそれもある。

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