「昭和飯」は女性の料理負担を増やしたのか

それでも女性が料理を作る理由

料理は手をかけるべきだという意識は、平成に働き始めた世代にも根付いているが…(写真:monzenmachi / PIXTA)

今の日本は、驚くほど食の選択肢が広がっている。外食のチョイスは無数にあるし、デパ地下からコンビニまでありとあらゆる所で総菜を売っており、好きでなければ料理をしなくても食べていける。それでも、多くの女性はなぜかいまだに「女性たるもの料理をしなければいけない」と、どこか思っているフシがあるのではないだろうか。

それを証拠に、近年はやっているものがある。「ミールキット」なる宅配会社がやっている、あらかじめ切ってある食材と、同封されている調味料を使って調理するだけで、「生姜焼き」や「シェフサラダ」など立派な料理ができるお助けキットである。なぜ、女性はそこまでして料理をしようと思うのだろうか。

女性が料理をしてしまう理由

それは第一に、子どもなど食べさせなければならない家族がいるからだ。自分と家族の健康を守るには、体調に合わせた食事を選べ、安全性に信頼が置ける手作りがいちばん、と考える人は多い。自分が作る責任を引き受けていると思うからこそ、女性たちは大変でも作ろうと努力するのだ。

もう1つの理由は、彼女たちが育った時代背景と関係がある。今の現役世代は、昭和育ちの親の下で育ち、母親がよく作っていた料理に慣れ親しんでいる。これは、ハンバーグやナポリタン、ロールキャベツやコロッケ、オムライス、カレー、ギョーザ、マーボー豆腐といったもので、筆者はこれを「昭和飯」と呼んでいる。戦前から作られていたものもあるが、誰もが気軽に食べるようになったのは高度成長期以降なのが共通点だ。

料理は女の義務ですか』でも、詳しく触れているが、この昭和飯こそ、現在の女性が料理を「義務」に感じている理由の一端だと私は考えている。

昭和飯が広がった頃、日本人は食卓革命といえる大きな転換期にいた。農業の近代化などによる食料生産の拡大や、産地から冷たいまま店の棚まで運ぶコールドチェーン網、スーパーの誕生、冷蔵庫・炊飯器などの家電や、ガス・水道・電気が完備された板の間キッチンの普及だ。

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