住宅ローン、ひそかに変わったお得の新常識 フラット35の制度変更で金利も引き継げる?
4000万円を返済期間35年で借りた場合を比較すると、以下のようになる(返済総額、保障料、融資手数料のみで比較。1000円以下は切り捨て)。
金利1.19%
返済総額 約4895万円 保証料82万4440円、合計約4977万円
○(同じく)みずほ銀行
1.39%(保証料は金利上乗せ型)
返済総額 約5053万円
●フラット35
金利1.36%
返済総額 約5029万円 融資手数料41万0040円 合計約5070万円
(融資手数料はみずほ銀行の最低水準1.026%で計算)
この比較ではみずほ銀行の保証料一括払いがいちばん安くなったが、実質的に頭金を82万円多く払っている状況に近いため、支払額が減るのはある意味で当然だ。また、みずほ銀行の保証料は1000万円当たり20万6110~72万1470円となっている(元利均等返済、返済期間35年の場合)。
上記の比較は最低水準で計算しているため保障会社の審査次第で増額される場合もある。加えてフラット35の場合は金融機関によって融資手数料が異なり、この後に説明する「フラット35S」では金利引き下げもあるため、どれがお得かは一概に言えない。
フラット35Sは引き下げ幅がちょっと縮小
フラット35Sは省エネ性、耐震性などについて、質の高い住宅を購入した際に適用される。以前は0.3%の金利引き下げだったが、10月の制度変更で0.25%になった。
また、フラット35Sは金利の引き下げ期間が10年のAプランと5年のBプランに分かれる。
金利引き下げによる利息軽減の効果は、Aプランは約96.4万円、Bプランは約51.9万円となる(借入額4000万円、金利1.36%、返済期間35年の場合)。
先ほどの比較にこれら利息軽減効果も考慮すると、「いちばんお得な銀行とフラット35を比較するとつねにいい勝負」という最初の説明も納得いただけるのではないかと思う(当然のことながら、ローン審査に通らなければどれも利用できないことは注記しておきたい)。
このように、いちばんお得なローンを探してみると、銀行とフラット35はどちらが得なのか断言できる状況になく、金利変動も考慮するとその時々で状況は変わり、その差も一般的な住宅ローンの額であれば35年間で数万円から数十万円程度となる。
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