日経平均は21年前と単純に比べられない
世間の話題は総選挙なのだが、本欄にあっては、なんといっても10月11日の木曜日に21年ぶりの高値に達した日経平均株価を語らねばなるまい。
21年前というと、1996年だ。山一證券や北海道拓殖銀行が破綻する1年前になる。筆者は、翌年破綻するとも知らずに山一證券にいた(9社目の勤務先である)。
「アブナイかもしれない」と言われている会社にお勤めの読者に申し上げておくが、会社が潰れるか否か、また潰れるとしていつ潰れるのかは、会社の中にいても大変わかりにくいものだ。
翌1997年の夏ごろになると、「山一にいるのは、そろそろまずいのではないですか?」と社外の知り合いに注意されるようになったが、結果的に、筆者は、十分な転職準備ができないまま1997年11月の自主廃業発表を迎えた。外資系企業に身売りするのではないかという誤った楽観的期待を持っていて、転職活動が遅れた。幸い次の就職先はすぐに決まったが、一般論として、転職の準備は早いほうがいい。
特に、大きな会社が潰れた場合、自分と似たような人材が大量に転職市場に出回るのだから、早めに動くべきだ。大事なのは次の職場の確保とそこでの働き心地だ。自己都合で辞めた場合の、退職金の減額のような細かな損得にはこだわらないほうがいい。
日経平均が久しぶりの高値だというおめでたい話をするつもりが、ほろ苦い話題になってしまった。苦いついでに、日経平均に関連する重要事項を指摘しておこう。
実は、日経平均株価は、2000年4月の銘柄入れ替えによって大きく歪んでおり、その前後で指標としての連続性が大きく損なわれている。
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