日経平均の銘柄入れ替えが発表されたのは、2000年4月14日(金)の引け後で、翌週末に30銘柄を入れ替えるとされた。4月14日の日経平均終値は2万0434円68銭と、2万円台に乗っていた。しかし、1週間後の銘柄入れ替え日である4月21日の終値は1万8252円68銭であり、10.68%もの下落だ。
一方、同じ期間のTOPIX(東証株価指数)は1.18%しか下落していない。ほかの株価指数で見てもおおむね同様であり、日経平均はこのときの銘柄入れ替えの影響で10%前後、市場全体の株価水準に関係なく下ズレしたのだ。だから、現在の日経平均は、かつての同数値の日経平均よりも実質的に高いのだ、と解釈することもできる。ともかく、2000年4月をまたいで、市場の動向を表す指標としての日経平均には不連続性がある。
さて、このとき、日経平均連動のインデックスファンドを持っていた投資家は、この入れ替えのおかげで、ざっと1割損をした。この出来事は、日本のインデックスファンド運用史上最大の「惨事」と言っていいだろう。
一方、証券界はこの銘柄入れ替えで、業界全体でざっと2000億円に及ぶといわれたトレーディング益を得た。
さすがに、この事態を教訓として、株価指数の銘柄入れ替えや銘柄ウエートの変更でここまでの惨事は起こらないように指数の作成者が工夫するようになったが、インデックス運用にあって、この種の危険は100%完全に除去できているわけではない。もっとも、アクティブ運用との手数料差は、今のところインデックスの構成変化に伴うコストよりもはるかに大きい。説明すると長くなるし、古い話なので、詳細は書かないが、日経平均は2000年4月時点で指標としての連続性が大きく損なわれたということと、インデックス運用には、指数の構成が変わるときに弱みがあることを覚えておきたい。
「21年ぶり高値!」とのみ喜ぶのは、投資家として単純すぎる。
総選挙の「安倍vs.小池論戦」には、がっかり
さて、衆議院の総選挙に触れないわけにもゆくまい。投票日は、もうすぐそこの10月22日だ。
公示の後、各党党首が勢ぞろいした討論会があったが、これが残念な代物だった。当然、注目は、自民党の安倍晋三首相と希望の党の代表である小池百合子・東京都知事のやり取りとなるが、これがどちらも冴えない。
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