ヤセるための「習慣作り」に悩む人への処方箋 家計簿をつけ、節約にハマると何が変わるか
具体的にどのようにすればよいのか、習慣を持続させるための技術を紹介したいと思います。皆さんは、慣性の法則を上手に使って移動する動物をご存じですか? そう、ペンギンです。ペンギンは、平たい氷の上にお腹をつけるようにして滑り込み、ほとんど自分の力を使わずに、ツルツルと気持ちよく前に進んでいきますよね。
ペンギンは滑るために、自分の力を使うのではなく、平らでツルツルの氷を使っています。人間も同じで、無理に「続ける」のではなく、自然に「続く」環境をつくればよいのです。
「意志の力」に頼らないための7つのワザ
それでは、意志の力を使って続けようと思わなくても、ほとんど勝手に続くようになる、簡単な技術を7つ、順に解説します。
①フラット化
米国の経済誌が行った調査によると、新年の抱負を実現できる人は8%に満たないそうです。ではなぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
南極のペンギンの例に置き換えると、目標を高く掲げるのは滑る床の傾斜確度を上げることに似ています。上ろうとする坂道が急であればあるほど、たくさんガソリンを消費してしまいます。ところが、あまり高い目標を掲げなければ、ガソリンを消耗することもありません。ペンギンは平坦な摩擦のない氷の床だからこそ、長く滑り続けることができます。
もし私がダイエットのためにいきなりハードなトレーニングメニューに取り組んでいたら、すぐに挫折していたでしょう。新しい習慣を始めるときには、あえて大きな志を抱かないで、目標を低くすることをお勧めします。
②細分化
アフリカには「象を食べるには一口ずつ」ということわざがあるのをご存じでしょうか。習慣も同じで、いきなり大きな課題に取り組もうとすると、すぐに心が折れてしまいます。
ペンギンの例えで言うなら、目の前に大きな氷山があるようなものです。ああ、あの山を切り崩さなければならないのかと思うと、やる気が失せてしまいますよね。それならば、大きな氷山を小さな氷に砕いてしまえばよいのです。たとえば、1冊の本を書こうとすると、10万字前後の文字数が必要だと言われます。そう聞くと、「自分には無理だ……」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、1日2000字ずつ書けばいいと言われれば、「自分にもできるかもしれない」と思う方が増えるのではないでしょうか。私も貯金に際して、いきなり「100万円貯める」という大きな課題に取り組むのではなく、毎日数回スマホで家計簿をつけるだけという、小さな小さな習慣に着手することで、習慣化に成功しました
③シングル化
私は1度大学受験に失敗しました。焦ってあれこれ複数の科目に手をつけて、どの科目も習慣化することができなかった結果、点数が上がらないまま受験に突入してしまったのです。今の私であれば、まずあれこれ一斉に手をつけるのではなく、1科目に絞って集中して習慣定着を目指し、調子づいてきたら、ほかの科目にも着手するでしょう。ペンギンの例えで言えば、いきなり複数の箱を押し進めようとするのではなく、まずは1つの箱を押すイメージです。1つの箱のほうがスムーズに進むのは、火を見るより明らかですよね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら