以下、企業訪問から彼らが得たものを紹介する。
1.某大手素材メーカーを訪問
「自分たちのような文系出身の場合、でき上がった製品を売り込むのがメーカーの営業だと思っていましたが、とんでもない勘違いをしていました。本番では視野を広く持った就職活動を心掛けたいと思います」と熱っぽく感想を述べた。視野を広げることの大切さを実感したようだ。
2.下町のある中堅企業を訪問
採用担当の部長から現在制作しているパンフレットに対する学生視点の感想を求められ、その場で自分が感じることを精一杯懸命に伝えた。人に意見を求められ、自分の考えを伝えることの意味を知ったようだ。
3.人気企業ランキングの上位企業を訪問
その企業の事業戦略や人材に対する考え方に熱心に耳を傾けていた。学生の人気を集める理由は、単にネームバリューだけではないことがわかったようだ。
もちろん私たちが同行しているので、通常のOB・OG訪問と比べると、人事の方の対応も違う。しかし、一社より二社、二社より三社と、訪問する企業が増えていくにつれ、彼らも仕事の現場が持つ空気を確実に捉えるようになってきた。
そんな彼らがどの企業にも共通して抱いた感想は「企業の規模にかかわらず、採用担当者は熱い気持ちで人材採用に取り組んでいる」ということであった。そして、その言葉を裏付けるように訪問した会社を失礼した後、しきりに「人事の方は熱い方が多いですね」ということ口にしていた。
一生懸命なのは就職活動をする皆さんだけではない。就職活動と採用活動はワンセットなのである。
来年の本番を前に、人事の方に直接会って話を聞けたことは彼らにとっても貴重な機会であったことは間違いない。この連載の読者である学生の方の中にも、おそらく今夏はインターンシップに参加された方も多かったことだと思う。社会人とのコミュニケーションを経験した方は、ぜひその経験を今後の就職活動に生かしてほしい。逆にそのような経験ができなかった人は、ぜひ早めにOB・OG訪問の準備をしてほしい。差がついていると脅す気はないが、成長は行動に比例するのだ。今回、「ビジネス・イメージ・シミュレーション」からリアル・コミュニケーションという流れでOB・OG訪問について本稿をまとめようと思ったが、その前ふりとしてインターンシップ生のひと夏を紹介させていただいた。K君、I君、二週間ご苦労さまでした。
採用プロドットコム株式会社 企画制作部 シニアディレクター
1988年関西学院大経済学部卒。大手就職情報会社で営業、企画部門で主にメーカーの採用戦略をサポート。その後、全国の自治体の地域振興に関る各種施策や計画書の策定業務に携わり、2000年から再び企業の採用支援業務に取り組む。08年4月より現職。
採用プロドットコム株式会社 https://saiyopro.com/
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