(第11回)社会人への“マインドシフト”は、台本を貰った役者の役づくりと同じだ

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(第11回)社会人への“マインドシフト”は、台本を貰った役者の役づくりと同じだ

八木政司

 前回までは業界研究について持論を展開してきた。業界研究は先入観を持たず、フラットな視野で行うべきだと述べた。また、判断軸を持たずに、ただ色々な業界に目移りしていても仕方ないことから、就職活動には軸が必要であるということも述べた。
 では以上の二点を踏まえて、今回からは次のステップとなる企業研究と仕事研究について述べていきたいと思う。

 企業研究や仕事研究といっても、それをどう進めれば自分の適性に合った選択や判断ができるのか。この選択力や判断力のトレーニングには「ビジネス・イメージ・シミュレーション」が最も身近で良い方法だ。方法は極めて簡単、自宅にインターネットができるパソコンさえあればまったく問題ない。手順としては業界研究をした際に気になった企業をピックアップし、その企業の採用ホームページに登場している社員に自分を置き換え、話の主人公になったつもりで文章を読み、イメージをしてみるのだ。スポーツでいうイメージトレーニングだと思えばいい。

 文中にわからない言葉があっても途中で放り出さず、分からないビジネス用語はネットで調べ、前後の文脈や行間を拾いながら、社会人の意識になりきって読む。分かりやすく例えるならば役者が台本を読むようなイメージだ。役者が登場人物の役づくりをするように、社会人という役柄の登場人物に"マインドシフト"を行うのである。

 少し余談を挟むが、携帯電話で就活を乗り切ってやろうと思っている方は、この段階でその考えを正してほしい。携帯が就活で便利ツールとして活躍するのは、採用ホームページを読むという段階ではなく、セミナーの連絡など、もっと後の段階である。携帯電話用に加工した採用ホームページを持っている企業もあるが、そのような企業はまだごく少数。多くの企業は採用ホームページは、パソコンで見てもらうことを想定して制作しているのだ。携帯が今や欠かせない情報端末であることに異論を唱える気は毛頭ないが、企業の採用ホームページくらいは、やはりパソコンの画面で見てほしいと思う。

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