就活生の交通費受給「ウソの申告」が招く問題 友人宅に泊まったのに宿泊費もらっていい?
地方の大学で就職活動する学生にとって、東京・大阪など都心で開催されることが多いインターンシップや会社説明会は悩みの種だ。多額の交通費だけではなく、長期間にわたるホテル滞在で宿泊費もかかる。そのため、企業の中には地方の学生に対して交通費・宿泊費を支給するところもある。
しかし、これを逆手に取り、実際とは異なる交通ルートを申告して、交通費・宿泊費を多めに得ようとする就活生もいる。新幹線で行くと申告しながら、夜行バスを使ったり、宿泊代を申告したのに友人宅に宿泊していたなど、あの手この手を使っているという。
地方から上京しての就職活動が金銭的に大変なのは理解できるが、このような行為に法的な問題はないのだろうか。また、企業は就活生に対し、差額を返金するよう求めることはできないのだろうか。寺岡幸吉弁護士に聞いた。
企業が差額の返金を求めることは可能か
通常とは異なる交通ルートを申告することに、法的な問題はないのか。
「法的な問題は、もちろんあります。企業から支払われる交通費や宿泊費は、実際にかかった費用相当額、あるいはその一部を支給するという趣旨で、例えば、費用相当額や、あるいは一定の金額を上限とする、などと定めていると思われます。
また、経路についても制限があったり、普通指定席の料金は認めるが、グリーン料金は認めないなどの制限があったりするでしょう」