韓国の憂うつ、冬季五輪開催地の寂しい実態

現地ルポ、4カ月後に迫るピョンチャンの今

白いスホランと黒いバンダビの2つのマスコットに決定するまではゴタゴタがあった(筆者撮影) 

すったもんだの末、平昌オリンピックのマスコットは、朝鮮半島を代表する白虎「スホラン(soohorang)」と地元・江原道を象徴するツキノワグマの「バンダビ(bandabi)」に決まった。スホランは守護=スホと虎=ホラニの造語で、バンダビは、バンダル=半月と対話を象徴するヒ=碑を合わせた名前だという。

盛り上がりはこれから?経済効果はさほど期待できない

「得するのは、江陵(カンヌン)市だけですよ」

こうため息をついたのは、平昌郡庁の所在地・平昌巴(町)で食堂を営む住民だ。隣村ではスノーボードが行われる予定だが、「潤うのはペンションなどの宿でしょう。食事は競技場近くで取るだろうし、観光はKTX(韓国の高速鉄道)がつながる都会の江陵市を回るだろうから、オリンピック景気とかいわれても、実感は湧かない」(前出の食堂店主)

付近のペンションに問い合わせてみると、すでに海外からの予約が入り始めていて、選手が母親と滞在するため長期間で予約していたところもあった。

平昌郡に隣接する、人口およそ21万人(2017年8月時点)の江陵市。ここではフィギュアスケート、アイスホッケーなどの人気競技が行われる。
オリンピック開催に合わせて江陵市とソウルをつなぐKTXが12月に開通する見込みで、ソウルから70分という地の利も大きい。

江陵市は昔ながらの中央市場が健在な一方、大型スーパーマーケットも進出するなど、今昔の風景が入り交じる街並みだ。江陵市内をぐるりと回ってみたが、ここでもオリンピックのにおいは感じられなかった。スピードスケートが行われるアイスアリーナなどは江陵市の中心部から少し離れた場所にあり、完成したアイスアリーナの隣ではテントなどの仮設物を設営する、オーバーレイ施設の工事が行われていた。

地元紙の記者が言う。

「秋夕(韓国の旧盆)の連休(10月第1週)が終わった後から大々的にオリンピックのCMが放映される予定で、新聞や雑誌でも特集が組まれます。盛り上がりはこれからでしょう。ただ、当初見込んでいた企業からの寄付が思うように集まっておらず、地元は頭を抱えています」

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