トヨタ流「成果が出る」最強の習慣トップ3

うまくいかないときは仕事を止める!

今の時点で問題が発生しているということは、前工程までに真因があるということ。もし最後まで流れてしまったあとに問題が見つかったら、全工程を再チェックして、問題を引き起こした真因を探らなければなりません。その場合、時間も労力も膨大になってしまいます。問題が発生した時点ですぐにラインを止めれば、「A工程とB工程の間に真因がありそうだ」と見当をつけることができます。つまり、効率的に問題への対応ができるのです。

ただし、「仕事を止める」ことに抵抗を感じる人もいます。そこで、トヨタの上司に求められるのは、問題が発生したことをメンバー個人のせいにしないということです。

トヨタでは、アンドンの紐を引いてラインを止めた当事者が叱られることはありません。むしろ異常を発見し、アンドンを引いたら、「よく引いてくれた。ありがとう」と言われます。もしアンドンの紐を引いたとき、「何をやってるんだ!」と上司に怒鳴られることがわかっていれば、異常や問題を隠したくなります。「このくらいは大丈夫だろう」「バレないだろう」と考えて、そのまま流してしまったら、後工程で大問題となる可能性があります。

隠されがちな失敗を表に出す秘訣は、当事者を責めることなく、問題を引き起こした原因にフォーカスすることです。

ある1人のメンバーが起こしたトラブルや問題は、同じ職場で働くメンバーであれば、誰もが引き起こす可能性があります。「〇〇さんの対応がまずかった」と個人に責任を押しつけるのではなく、職場で同じトラブルが再発しないような対策を考えるのが上司の仕事です。

都合の悪いものは隠したがる。そんな人間のクセを理解したうえで、問題が発生した際にはトヨタの現場ではいったん仕事を止めて失敗や故障をオープンにし、それが再発しないような対策を考えるという習慣があります。

この習慣は、「人を責めるな、しくみを責めろ」という言葉に凝縮されています。つまり、問題が起きたとき、その作業者を責めるのではなく、作業者が失敗してしまうようなしくみを改善することが重要視されているのです。

習慣②「標準」をつくる

「標準」とは、現時点で最善とされる各作業のやり方や条件のこと。作業者は、これにもとづいて仕事をこなしていきます。簡単にいえば、「このやり方でつくれば、うまくつくれる」という取り決めです。

標準を守れば、誰が作業をしても同じ成果が得られるようになっているので、仕事の質や時間のバラツキはなくなります。具体的には、作業要領書や作業手順書と呼ばれるものが「標準書」に該当します。

たとえば、ある部品のボルトを締めるという作業で、「しっかり締めるように」と指示されても、「しっかり」の度合いには個人差があります。しっかり締めたつもりでも、ボルトの締めつけがゆるくて、不良が発生してしまう可能性があります。

しかし、「カチッという音がするまでボルトを締める」という標準が決められていれば、誰が作業をしても同じ強さでボルトを締めることができます。標準とは、誰がやっても同じものができるしくみなのです。

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