「50代同士の結婚」は、なぜ成立しにくいのか

50~60代の婚活希望者は増えているが…

「結婚は運命共同体。私は、一緒に乗り切る覚悟でいました。でも、彼が現実に押し潰されて、うつ病になってしまった。『今結婚を考えるのはつらい。婚約解消をしてほしい』と言われたんです」

その後、38歳のときに友人を介して知り合った男性と1年ほどお付き合いした。彼から、「一緒に住まないか」と言われた。彼女はそれが“結婚”を意味するのだと思っていたら、彼は“結婚”ではなく“同棲”を望んでいた。

「39歳で同棲をしたら、そのまま籍を入れずにズルズル関係が進みそうだったし、“同棲はいいけど、結婚はダメ”というのは、私の中では納得できなかった。どこか責任逃れをしているような感じがしたんです。『結婚できないなら別れましょう』と、関係を解消しました」

“恋愛と結婚は違う”とはよく言うが、由美子は、恋愛から結婚の段になると、なぜか話がおじゃんになり、“恋愛はできるが、結婚はできない”ままに歳を重ねてしまった。決して高望みしているわけではなく、等身大の相手と恋愛をしているのに、結婚話が出ると先に進まなくなる。なにかアクシデントが起こる。恋愛をしてきたのにいまだ独身の50代は、ほとんどがこのパターンではないだろうか。

50代がパートナーに求めるもの

また50代の婚活が難しいのは、男女それぞれ、相手に求める要求があまりにも食い違っているところにもある。

これは、30代後半、40代にも言えることなのだが、女性はできるだけ自分に歳の近い男性を結婚相手に求めている。または、「年下でもいい」という。対して男性は、できるだけ若い女性を求める。ただ、近年の傾向でいうと、男性の収入がそれほど高くなければ、女性にも働いてほしいので、「同世代もしくは年上でもいい」という人も増えている。

ところが50代になると、たとえ収入が低くとも、「年上の女性でもいい」という男性はまずいない。一方、50代で年収がよい男性の中には、「最後に子どもが欲しい」と思っている人が出てくる。

前回の記事(43歳男性「子供が欲しい」で始めた婚活の結末)にも書いたが、年齢が上がれば妊娠する確率が低くなる一方で、流産する確率や染色体異常などのリスクは高くなる。しかしながら、女性が40代で出産するケースがあるように、男性の場合は50代、60代で父親になっているケースがある。芸能人カップルのそうした事例が華々しく報道される昨今、“リスクはあるかもしれないが、自分だけは大丈夫!”と思っている人が多いのではないだろうか。また実際、私が仲人を務める結婚相談所の50代男性会員は、真剣に子どもを望んでいるので、先日ブライダルチェックを受けてきたという。

さて、由美子だが、入会してから積極的に婚活を始めたが、最初は苦戦続きだった。年下男性からのお申し込みは皆無で、彼女に申し込みをかけてくるのは、50代、60代。その中でも子どもを望んでいない男性だ。そこでまず候補者が絞られる。一方、由美子のほうは男性の年齢を“60歳まで”と切っていたので、さらに候補者の数が少なくなる。

そんな中でお見合いを繰り返していき、最初の2カ月間は、自分が気に入った相手からは“お断り”され、お断りしようと思っていた相手からは“交際希望”が来る。お見合い後交際に入ったとしても、1度か2度会うと“交際終了”になってしまうという、お見合いあるあるの状況が続いていた。

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