東京・丸の内の新丸ビル内にある和食ダイニングバーで井上朝子さん(仮名、52歳)を待っている。平日の夜にも関わらず広い店内はほぼ満席状態。この界隈の景気の良さを物語っている。
15分ほど遅れて「ごめんなさーい」と言いながら登場した朝子さんは、ペイズリー柄のワンピースにボブカットという若々しい風貌だ。小柄の全身から明るいエネルギーを発散しているような存在感がある。
1度目の結婚は、夫の浮気で破綻
朝子さんはフリーランスで編集やライティングの仕事をしているが、2011年に再婚をしてからは昔ほどは忙しく働いていない。前夫との間に作ったひとり息子もすでに25歳の社会人で、朝子さんの手から離れて久しい。家事や趣味にたっぷり時間をかけられるようになった朝子さんは早くも「第2の人生」を楽しんでいるように見える。
最初の結婚をしたのは26歳のときだった。2年後には息子が生まれたが、33歳のときに離婚。以来15年間はシングルマザーだった。朝子さんがまさに女手ひとつで育て上げたと言える。
「離婚の理由は簡単に言うと彼の浮気です。彼は私より11歳も年上で会社を経営している人でした。何もかも私より上ですごく尊敬していたので、すぐにバレる浮気をしてバカだなこの人、って気持ちが冷めてしまいました。一緒にいるのが嫌で嫌で、そんな自分も嫌で、すごく落ち込みました」
前夫は大いに反省したようだが、一度離れてしまった気持ちは元には戻らなかった。別居をしてから1年半後には離婚が成立。親権はもちろん朝子さんが得た。
「すごくスッキリしました。その後、彼との関係は良好でしたよ。しっかりと養育費を払ってくれたことはすごく感謝しています。だからシングルマザーでやって来られたんです。息子が海外留学に行くときも、彼にお金を出してもらいました」
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