35歳以上で結婚をした「晩婚さん」を訪ね歩く本連載も、そろそろ40人目に到達する。毎回読んでくれている人もいるようで、関西在住の女性読者から「自分たち夫婦を取材してほしい」という依頼が東洋経済新報社のお問い合わせ窓口を通じてあった。ありがたいことだ。一部を抜粋する。
温かみを感じられる丁寧な文面に筆者は心惹かれた。すぐに連絡を取り、平日のランチタイムに大阪のホテル内にあるフレンチレストランを予約。約束の時間よりも少し早めに現れた山中裕子さん(仮名、39歳)は、目鼻立ちのくっきりした華やかな雰囲気の美人だ。
生後7カ月の息子は離乳食をとり始めており、授乳もさきほど済ませて来たので、「今日は軽く飲める」とのこと。なかなか豪快な性格の女性らしい。シャンパンをグラスで注文し、話を聞くことにした。
35歳の告白への「残酷な返事」
大手外資系企業で働いている裕子さん。専門職として長く働いていく意思があり、育児休暇を終えてからのキャリアを真剣に模索している。一方で、出産するまでは合唱サークルの活動にも積極的に参加。毎年、仲間たちとアメリカの音楽フェスに行くなど、独身生活をエネルギッシュに謳歌していた。
「時間にもお金にも余裕があって、すごく自由で楽しかったです。週5で飲んでいました(笑)。でも、どこかでむなしさも感じていました」
自分と同じように遊び好きな男性に惚れ込むことが多かったという裕子さん。35歳のとき、音楽とお酒で意気投合した2歳年下の男性に恋をした。1年間は片想いを続け、「付き合ってみませんか」と自ら告白。彼の答えはやや残酷なものだった。
「あなたとは付き合えません。僕はまだ結婚する気がないから」
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