学校予算をPTAに頼らない!ある校長の信念 学校が先に動けば、保護者だって動く
もうひとつ、会費をなくすことについても戸惑いの声があがりました。活動費がなくなるだけではありません。現状、日本の多くの学校は、自治体からおりる公的な予算が不足しています。そのため、半ば公、半ば内密に、PTA会費を頼っている学校が大半です。ですからPTA会費の減額には多くの校長が反対します。そういったおカネはどうするのか。
「学校がPTAのおカネを頼っていること自体、僕は大問題だと思っています。PTA会費は本来、PTA活動をするためのおカネでしょ。学校におカネがないのは事実だけれど、それは予算をつけない政治や行政の問題であって、だからってPTA会費を使うのはおかしい。
では、どうするか。ひとつには、資源回収をやっています。でも保護者がやる特別な仕事はありません。校内の一画に設けたリサイクルセンターに、不要品を各々が持ち込むだけ。そうすると週に1回業者が来て、全部もっていってくれます。
市の補助も出るので、これだけで年間20万~30万円になります」
リサイクルセンターを見せてもらったところ、たしかに資源ゴミが置いてあるだけでした。センターは建物の1階にあり、部屋の真横に業者が車を横付けできます。これなら保護者がリヤカーで運ぶ必要もありません。
活動見直しとおカネを生む努力で会費はなくせる
「あとは、おカネの使い方も見直すんです。たとえばPTAの広報紙をやめたらどうですか、と僕は言いました。1回10万円はかかるので、これをやめれば年間30万~40万円は浮きます。これだけネットが発達している時代なんだから、ホームページで発信すればいいじゃないですか。
制作作業だって、好きな人がやれば楽しいでしょうけれど、大体はじゃんけんやクジで決まった方たちが、何度も学校に集まっている。だったらいりませんよ、って話したんです」
筆者もまさに、そう思います。広報紙も悪くありませんが、かかる費用の大きさや強制で委員になる人の多さを考えると(広報委員は多くのPTAで最も不人気です)、やり方を変えたほうがいいと感じます。ホームページで情報を発信すれば、費用も人手も大幅に削れます。
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