発達障害の子を救う「遊んで学ぶ教室」の役割 幼児6.5%が抱える問題、症状は緩和可能だ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

保育士として29年のキャリアを持つスタッフの田中さんはこう話します。「うちの子だけ大変なんですと思われている親御さんもいるんですけど、みんないろんな面で大変さはある。みんな自分だけじゃない、大丈夫ですよと。他の子との兼ね合いを見ながら、成長を確認し合いながら、安心して育てていけるように助言できたらいいかなとは思いますね」。

ニーズに追いつかない現場

専門的なサポートが大きな助けになる一方、必要な人に支援ができていないのが現状です。現在日本では、6.5%の子ども、すなわち約30万人の子どもが発達障害があると言われています。そのうち専門的なサポートを受けられているのは1割ほどでしかないといいます。

1~5歳児の人口:5,273,000人(統計局,2013年9月の推計値)児童発達支援サービスの利用者数:2013年9月の実績値59,027人から、発達障害児以外の利用者数を30,000人と仮定して算出(厚生労働省公表)

理事長の小田さんも課題を感じています。

「想像以上に子どもは伸びるな、成長するなと感じます。たった1週間に1回通うだけだし、その1回も45分だったり1時間だけだったりするんですけど、子どもはびっくりするくらい伸びます。ただ、残念ながらこういう療育をする場所がまだまだ少ないという現状を改めて感じています。

僕たちがこの事業を始めてもう7年目になりますが、まだまだこうした事業所が少ないようで、1時間くらいかけて私たちの教室に通ってきていただける方も多いです。もう私たちだけでは受けきれず、待ってくれている親御さんたちもとても多くいます。そういう状況を見ると、こんなに早期の療育が子どもにとって価値があるにもかかわらず、街にはこういった環境が十分にないというのをすごく感じますね」

次ページ「発達わんぱく会」の挑戦は続く
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事