発達障害の子を救う「遊んで学ぶ教室」の役割 幼児6.5%が抱える問題、症状は緩和可能だ

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現在「発達わんぱく会」は、首都圏の4カ所に教室「こっこ」を設け、子ども一人ひとりに合わせたプログラムで、個別療育やグループ療育などを行っています。

「こっこ」に通う250人の子どもたちの療育を行うのは、保育士、幼稚園教諭をはじめ、臨床心理士や言語聴覚士など、専門的な資格を持つおよそ60人のスタッフ。

各教室では、専門の異なる6人のスタッフがチームとなり、1日の療育にあたっています。1日の終わりには6人のスタッフが集まり、その日の子どもたちの様子をお互いの視点から振り返り、それを細かく記録。次回のプログラムにつなげているのです。

小学校教諭・特別支援教諭の資格を持つスタッフの富田さんは、専門が異なる複数のスタッフがチームとなって子どもたちに関わっていくことのメリットをこう話します。

「私たちの目って一人だけでは見きれない部分があるので、お互いの角度から見られた子どもたちを共有していくこともすごく大事。ここには作業療法士の先生方もいらっしゃるのですが、そういう方たちの体の使い方のアドバイスをいただくとなるほどということもたくさんあります。また、幼稚園教諭や保育園教諭の方々のプログラムの豊富さやバリエーションが非常に参考になります。一方的ではないアプローチができるのでいいなと思います」

一人ひとりの発達や興味に合わせた療育を

「こっこ」の職員室の壁には、ずらりとカラフルなおもちゃが。いえ、これは子どもたちが使う大切な「教材」です。教材のほとんどがスタッフによる手作り。それぞれの専門性を活かして意見を出し合いながら、子どもたちが楽しんで遊べて学べる工夫を凝らしています。

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