プロが伝授!「速く走る方法は2つしかない」 走りのエキスパートが夢の「かけっこ」対談
――今回は、プロ野球の連続盗塁成功記録(32回)の保持者でスピードスターとも称される福田秀平選手と、400メートルハードルの元五輪強化指定選手で、現在はプロスプリントコーチとしてプロ野球選手やJリーガーにも教える秋本真吾さんに、「速く走ること」をテーマにお話を伺いたいと思います。おふたりは、やはり子どもの頃から足が速かったんですか。
福田:そうですね。小学生の時は、かけっこをするとつねに1番、2番でした。でも中学生になってオスグッド(成長痛)で走れなくなって、それから「自分は足が遅くなった」と思っていたので、高校生の時は盗塁したことがなかったんですよ。
秋本:ええ!? 本当ですか。僕も小学校の時から足が速くて100メートルは12秒8だったんですけど、同じく中学に入ってオスグッドになって走れなくなったんです。それで棒高跳びをやっていたんですよ。それから「自分は足が速い」という意識はなくなって、高校に入ってからもしばらくは、棒高跳び、幅跳び、三段跳びをメインにやっていました。
福田:同じような境遇ですね(笑)。オスグッドって本当に痛いんですよね。
秋本:確かに痛かったです。成長期で身長が一気に伸びて自分の体をコントロールできなくなるから、走り方すらわからなくなるんですよ。でも高校(福島県立双葉高等学校/進学校として知られる)の陸上部が練習でとにかくたくさん走るところで、その成果か、だんだん足の速さが戻ってきたんです。もともとジャンプ系の種目をやっていてバネもあるということで、監督に「400メートルハードルに出ろ」と言われて走ってみたら、それが当たってインターハイにまで行けました。
技術を支える土台
――福田さんはいつ頃、自分の足の速さを再認識したんですか。
福田:僕は高校(多摩大学附属聖ヶ丘高校/こちらも進学校)の野球部が強くなくて、練習も16~18時、完全下校が18時半と決められていたので、秋本さんのようなハードな練習はしたことがないんです。プロになって、春のキャンプで「お前、足速いな」と言われて、え、そうなの?と思いました。
秋本:それは意外ですね! じゃあ、プロに入ってから走り込んだんですか?
福田:はい。「お前は足が速いんだから盗塁を武器にしろ」と言われて、それから改めて走ることを意識するようになりました。プロの1年目、2年目にはかなり走り込んで、それで入団した時よりも足が速くなったと思います。
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