スタンガンは「安全な制圧方法」とはいえない 警察が使用したケースで全米1005件の死亡例

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病院に向かう途中で、プーンジーさんの心臓が停止。その後、脳死と宣告され、家族の同意で生命維持装置が外されて、彼は死亡した。

警察側は、プーンジーさんはテーザー銃を使う前から攻撃的になり、彼を鎮静化させるために数回スタンガンを発射せざるを得なかったと主張する。

プーンジーさんの遺体からは、大麻と幻覚誘発剤の成分が検出された。地元の検死局は、「興奮剤由来の精神状態」において物理的な拘束を受けた後の心臓発作による「事故」だったと結論付けた。

プーンジーさんの遺族は、過剰なスタンガン使用などが死亡原因になったとして、 地元当局などを相手取り提訴した。当局側は責任を否定し、訴訟が継続している。

怖がらないで

警察官によるテーザー銃使用に絡んで発生した多くの死亡事故と同様に、プーンジーさんの死も、救助を求めた緊急通報が発端となった。法廷記録によると、こうした911通報の半分近くが家族からの通報だ。

2014年12月16日の夜、ジェームズ・ウィリアムズさん(43)は、ジョージア州ダグラスビルの自宅で、妻のアササさんに、風邪を引きそうだと告げた。ウィリアムズさんは、市販の風邪薬のほかに、ラム酒を紅茶に混ぜたものを飲んで、眠りについた。

午前4時頃、ウィリアムズさんは突然アササさんを起こし、胃が痛んで寒気がすると言った。室温は27度近くあったが、ウィリアムズさんはシーツを体に巻きつけると、てんかんの発作を起こした。

シンガー・ソングライターとして活動し、3人の息子の父親でもあるウィリアムズさんは、2カ月前にも発作を起こしていた。アササさんは、その時の医師の指示を思い出してウィリアムズさんを横向きに寝かせると、911番通報した。「夫が発作を起こした。助けて」

ウィリアムズさんは、14年の結婚生活でアササさんが一度も聞いたことがないような甲高い悲鳴を上げた。アササさんは、「ただの発作。怖がらないで」と声をかけた。

ウィリアムズさんは、部屋を抜け出すと、トイレの便座に頭を打ちつけ、シャツを脱ぎ捨てた。アササさんは18歳の長男バシールさんにもう一度911番通報をするよう頼んだ。「早く来るように言って」

救急救命士として30年の経験があるマイク・シュラー氏と同僚のマーク・ワードロー氏が到着したのは午前4時39分だった。アササさんは6歳と13歳の2人の息子を、ウィリアムズさんが入り込んだ2階の子供部屋から連れ出したところだった。

シュラー氏は、ウィリアムズさんが子ども用のベッドに頭から突っ込んで壁に激突し、額を切るところを目撃した。長男のバシールさんは、救命士が2人がかりで父親にタックルしたと証言する。

裁判書類によると、副保安官のケニー・ターナー氏が午前4時41分に到着した時、部屋にはウィリアムズさんとシュラー氏しかいなかったという。

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