■感覚的な言葉を具体化する
必ずしも数字に置き換えられない感覚的な言葉を扱わなくてはならないときも、できるかぎり「具体化」します。
具体化するときは、5W1Hを意識します。いつ、どこで、だれが、どれくらい、なんのために、どんなふうに、のいずれかを明確にすることで、読む人が理解しやすくなります。
私の場合、ライター人生の前半は、ずっと美容関係の原稿執筆をしていたので、美容師さんやヘアメイクさんの「もうちょっとふんわりさせて」とか「この空気感がかわいい」などの感覚的な言葉を、読者に対して「翻訳」するのに苦労した経験があります。
このような場合も、5W1Hを意識して、できるだけ具体化します。
たとえば、あるヘアメイクさんが「髪にワックスをつけてふんわりさせて」と言った言葉を、「髪を乾かしたあと(When)、耳の付け根よりも上の部分の髪に(Where)、マット系のワックス(What)をあずき1粒ぶん(How much)のばしてつけます。根元を起こすために(Why)ドライヤーをあて(How)、空気を入れて(How)立ち上げて」と書いたこともあります。
前者にくらべて後者のほうが、読む人がその動作を再現できる確率が高まるはずです。
指示語の多い文章はわかりにくい
次に、「こそあど言葉」と言われる「指示語」についてお話しします。
これ、それ、あれ、どれ、などの指示語は、日常会話の中ではよく使われます。対面で話すときは「こそあど言葉」を使っても、会話にずれが起こることはほとんどありません。
しかし文章の中では、指示語が何を指しているのかがわかりにくく、そのために文章の意図が伝わらなくなるケースをよく見かけます。
■「こそあど」言葉を言い換える
小説など、情緒が求められる文章であれば別ですが、全員に同じ解釈をしてもらいたいビジネス文書では、可能なかぎり、指示語を排除して、言い換えるクセをつけましょう。
→図1で示したグラフからわかるように〜
→指摘いただいたサーバーの不備につきましては現在調査中です。
→クライアント様も弊社も、午後8時終了の予定で問題ありません。
などのように、これ、それ、あれ、が何を示しているのかを、具体的に言い換えましょう。
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