トランプ大統領、「元保安官恩赦」の真の狙い

オバマ氏の野望を打ち砕こうとしている?

トランプ大統領はアリゾナ州のジョー・アーパイオ元保安官(写真手前)に恩赦を与えた。アイオワ州で2016年1月撮影(写真:ロイター/Brian Snyder)

8月25日、ドナルド・トランプ米大統領は、米西部アリゾナ州の元保安官ジョー・アーパイオ氏を恩赦した。同氏は不法移民の取り締まりをめぐって、その強硬手段が法廷侮辱罪に問われ、7月に刑事訴追された。その判決が10月5日に下るはずだった。

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トランプ大統領はアーパイオ氏を恩赦する理由について、次のように説明した。今年85歳のアーパイオ氏は、18歳で軍人となり、保安官時代を含めて50年以上、犯罪や不法移民の摘発など公共のために働き、米国民に尽くしてきた愛国者であり、大統領恩赦に十分に値する人物だ、と。

シャーロッツビル事件での名誉挽回

その恩赦の3日前の22日、トランプ大統領はアリゾナ州フェニックスで行われた支持者向けの集会で演説した。その演説は全米に中継された。実は、アーパイオ氏の恩赦はその演説の中でなされると思われていた。しかし、トランプ氏は「今日はしない」とわざわざ断り、恩赦の可能性を留保し、聴衆を戦略的に落胆させていた。

そして、3日後の夜に正式に恩赦したのだが、そのタイミングは、強烈なハリケーン「ハービー」が米南部テキサスに上陸したときと重なった。

トランプ大統領に批判的な民主党議員の一人は「ハリケーン上陸を全米が心配しているときに、人種差別主義者の元保安官を恩赦するとは、トランプ大統領はなんと卑怯者か」と最大級の非難を浴びせ、ACLU(アメリカ自由人権協会)の幹部に至っては「大統領による人種差別主義の容認だ」とまで強烈に批判した。

そんな批判を物ともしないふうのトランプ氏だが、メキシコと国境を接するアリゾナ州で、しかもこのタイミングで、なぜアーパイオ元保安官を恩赦したのか。

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